グリホサートの規制・禁止は世界の流れ
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健康被害(発がん性)あり
製造元企業に賠償判決続々
グリホサートをめぐってはアメリカを中心に大規模な訴訟が起きています。モンサント社に対する一連の訴訟で、最初の判決が出たのは、2018年8月。学校の校庭の管理をしていたジョンソンさんが、仕事でグリホサートを含む除草剤を使用してがんになったとしてモンサント社(現在はバイエル社に買収されている)に損害賠償を求めた訴訟で、カリフォルニア州の裁判所は2億ドル(210億円)以上の賠償を支払うよう、命じる判決を出しました(のちに7800万ドルに減額)。
また、翌19年にはサンフランシスコ連邦裁判所で「ラウンドアップががんの原因である」と訴えたハーデマンさんに対し、8000万ドルの賠償を命じる判決が下されました。同判決はラウンドアップの設計に欠陥があり、モンサント社が除草剤の発がん性について警告しなかったことが原因だと認めるものです。
アメリカ 5万人超の巨大訴訟に
同様の裁判は原告が5万人以上に拡大し、20年6月にバイエル社はこれらの訴訟に最大109億ドル(約1兆1600億円)の支払いで和解に合意したと発表しました。訴訟はアメリカだけにとどまらず、隣国のカナダでも500人を超える原告が訴えており、バイエル社だけではなく販売したホームセンターも訴えられています。
農民も提訴
オーストラリアでは19年に、農民が「40年にわたるラウンドアップの使用で非ホジキンリンパ腫を発症した」として、提訴しています。
(新聞「農民」2020.8.10付)