「農民」記事データベース20011029-514-03

安全対策、所得補償など万全に

今これをやることが必要

狂牛病対策


 I 安全な牛肉のみを市場に流通させるための対策

 農民連は、狂牛病の感染牛が国内に一頭もいないといえる状況になるまで、と畜場での全頭検査の充実と肉骨粉の全面禁止の継続を求めます。

 農水省、厚生省は十月十八日、出荷された牛の全頭検査の体制ができたとして「安全宣言」を出しました。全頭検査は歓迎すべきことですが、狂牛病の潜伏期間は二〜八年と長く、長期にわたる万全の対策が必要です。

 武部農相が肉骨粉の全面停止の期間を「半年が目安」と述べるとともに、検討会を立ち上げて解除の条件などを検討するとしているのはとんでもないこと。肉骨粉の全面禁止は、最低でも八年間は続けるべきです。

 あわせて、(1)検査体制の強化と検査員の増員、(2)肉骨粉の焼却・へい獣処理施設の早急の整備、(3)レンダリング業者を含む食肉関連業者への十分な補償、(4)配合飼料メーカーに対して配合割合の公表を求めます。

 II 畜産農家の営農維持・再建に向けた手厚い支援を

 農水省の対策は緊急融資と出荷繰り延べによるエサ代補償だけ。農民連は、畜産農家の所得減少分をすべて補償するとともに、政府の買い上げを要求します。

 畜産農家は、消費減少による市場価格の暴落と、いつ消費が回復するかわからない先行きの不安に襲われています。

 ところが農水省の打ち出した緊急融資は、有利子(一・六%)で償還期間一年という、まったくお粗末なもの。九道県(北海道、鳥取、岡山、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島)では利子補給を上乗せして無利子にしていますが、厳しい地方財政を理由に行わないところもあります。政府の出資で無利子・長期(五年以上)・無担保の融資に改めるべきです。

 ドイツでは、狂牛病に対する消費者不安の解消と、下落を続ける牛肉価格を下支えするために、約四十万頭の買い手がつかない肉牛を買い上げて焼却処分に。

 輸入牛肉の関税差益を使って、過去三年間の平均価格を基準に暴落した枝肉・子牛・ヌレ子価格を全額補償すること、買い手がつかない牛肉を政府が買い上げることを要求します。

(新聞「農民」2001.10.29付)
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2001年10月

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