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第14回全国エゴマサミット

盛況に開催 エゴマはすごい!
エゴマの魅力・効能からゲノム編集まで幅広く交流
エゴマ取り入れた食生活/奇跡の病気改善例/前代未聞の収量
楽しくおもしろくラクに有機農業の奥深い極意
広島・庄原市東城町

毎回盛り上がるエゴマの実と油の品評会

 3月9日、10日に、広島県庄原市東城町で、第14回全国エゴマサミットが開催され、18都府県から70人が参集し、地元からも115人の参加で大きく成功しました。主催は日本エゴマ普及協会、共催が備北エゴマの会、庄原市の後援のもとで開催されました。

30年の研究成果分かりやすく

講演に熱心に耳を傾ける参加者

 9日の第一部は「エゴマによる健康づくり講演会」と題する公開講演会として開催。日本エゴマ普及協会会長の服部圭子さんのごあいさつの後、4人の講師がエゴマについて縦横に語りました。

 最初の講師は、島根大学客員教授、医学博士の橋本道男さん。「科学的エビデンスにもとづく『エゴマ』の魅力」と題して、エゴマの効能・機能性についての30年にわたる研究の成果を分かりやすく話されました。

 2人目は、福島県只見町在住のエゴママイスターでエゴマソムリエの斎藤幹子さん。日光アレルギー、うつ、ADHD(注意欠如・多動性障害)などによる薬漬けの生活を克服、エゴマを取り入れた食生活、予防医学の力で薬に頼らない生活を実現したことを詳しく話され、感動が広がりました。

 3人目は、岐阜県で有機農業38年、エゴマ普及協会会長の服部圭子さんです。「日本の縄文フードエゴマを世界のスーパーフードに」と活躍中の服部さん。「黄金色のエゴマのすごいパワー健康オイル、世界一の理由」と題して講演。エゴマによる奇跡の病気改善例、縄文人も食べていたエゴマのすごさを存分に話されました。

 第1部の最後は今回のサミットの立役者、地元の東城町「有機野菜の里」農場主の瀬尾賜(たまう)さん。92歳の現役です。ご夫婦でみそ加工や有機野菜の栽培を続けて半世紀。パワーポイントも使いこなし、車の運転も現役。すべてエゴマのおかげとお元気です。23年度エゴマの1ヘクタール当たりの収量が120キログラムという前代未聞の成果を、土づくりから収穫まで生き生きと話されました。

ゲノム編集生物のもつ危険性

 9日の第2部と10日は、全国サミットの本番。有機農業50年の瀬尾さんご夫婦と、神石高原町で有機農業50年の伊勢村文英さんは、有機農業の奥深い極意を語られ、岐阜県農民連の会員である服部晃さんとの経験交流が行われました。伊勢村さんの有機農業は「楽しく、おもしろく、楽に」という取り組みについて、その基礎には土着菌の活用などの基礎知識が豊富だからこそできるのだと感銘を広げました。お子さんもお孫さんも有機農業の道に進んでいます。

 服部晃さんの「ゲノム編集とネオニコの不都合な真実」は多くの人々に聞いてほしい内容でした。ゲノム編集された生物が持つ抗生物質耐性遺伝子の危険性、医薬品と農薬の違い、農薬の安全基準の問題点、「みどりの食料システム戦略」の問題点までしっかりと質問にも答えて話されました。

エゴマ料理の試食・品評会も

参加者みんなで記念撮影

 当日は、全国から持ち寄られたエゴマ料理の試食会、加工食品の販売も行われ、エゴマ油やエゴマの実の味の品評会もありました。土づくりや品質管理が評価に反映される傾向が強く、私自身のエゴマづくりにも励みになりました。

 多彩な企画と交流の中、2日間の日程は大盛況のうちに幕を閉じました。(広島県農民連 谷口隆明)