新聞「農民」
「農民」記事データベース20201214-1437-10

いまこそ要求で広く農民と結びつき、
国民の期待に応えられる農民連を!

農政を国連「家族農業の10年」の
方向に転換させるチャンス!
(8/10)

農民連第24回定期大会議案
2020年12月3日 農民運動全国連合会常任委員会

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2.「ネオニコフリー」農産物への挑戦、自信をもって提供できる生産を

 EUやアメリカではネオニコチノイド系農薬の禁止・規制が進み、子どもを農薬や環境ホルモンなどの暴露から守ることが当たり前に取り組まれています。

 日本では緩すぎる残留基準がさらに緩和され、農薬の新規登録も続いています。薬の暴露の最大の被害者は農民です。近年、低毒性農薬が多くなったと言われていますが、慢性毒性や複合農薬暴露影響、浸透性・残効性の高いネオニコでは胎児への影響も明らかにされてきました。

 20年産米から、学校給食と準産直でつながる特徴あるお米を販売している米屋さん向けにネオニコフリー米の取り組みが始まっています。ネオニコチノイド系農薬を使わない「ネオニコフリー」農産物の栽培に挑戦し、食の選択を真剣に考える消費者へ自信をもって提供できる農産物づくりを進めましょう。

3.安心の地場農産物で、安全で豊かな学校給食をめざす運動

 学校給食の無償化、有機農産物・地場産農産物の利用が各地で広がっています。

 地域の安全な食材を使った生産者の顔の見える給食こそが教育の一環でもある学校給食本来の姿です。地場産農産物を使った安全で豊かな学校給食の実現を全国共通課題に位置づけて運動を広げ、関係者・学校との懇談、学習会やシンポジウムなど、住民ぐるみの運動に発展させましょう。

4.家族農業10年のなかでの新婦人との産直運動の前進を

 コロナ禍で食と農の在り方が問われ、SDGsや「家族農業の10年」の見地から持続可能な農業と食料システムに貢献する産直運動の発展が求められています。

 新日本婦人の会は、19年11月の中央委員会で、国連「家族農業の10年」や日米FTAなどの自由貿易協定、気候変動などの情勢の劇的な変化のもと、「日本の農業と食料、食の安全を守るために、産直運動を大きく発展させることが何より大事であり、産直運動は地域を元気にしている公益性のある運動」と位置づけています。そして、産直運動への参加を広く攻勢的に女性に訴える方針を決め、産直運動に意欲的に取り組む方針を確立しました。「家族農業の10年」の運動を地域で広げ、家族農業が見直される社会を作っていく上で、核となる新婦人との産直運動を発展させましょう。

 一方、こうした位置付けに反して信頼を傷つける食品事故も起きています。信頼を基礎に、学習・交流を深め、ルールを順守して、自信の持てる農産物を届けることが産直の大原則です。「農民連と新婦人の産直運動4つの共同目標」を常に確認するとともに、農畜産物の栽培・収穫・貯蔵・加工・物流などが適切に管理されているか、総点検しましょう。安全・安心を可視化するためにも農民連食品分析センターを活用しましょう。

5.大きな役割を発揮している食品分析センターを生かして

(1)食と農を守る役割を発揮

 農民連食品分析センターは、食と農を守る活動を前進させてきました。

 (1)輸入小麦製品からグリホサートを検出

 輸入小麦原料の製品から除草剤グリホサートを検出しました。特に、学校給食パンからの検出は、SNSなどでも多数拡散され、国会や地方議会などでも取り上げられるなど関心を集め、学校給食の国産化、無償化、有機食材化を求める各地の運動を牽引しました。

 (2)ホクレンの国産大豆へのグリホサートによるプレハーベストやめるきっかけに

 13年に国内で大豆のプレハーベスト処理が認可され、日本消費者連盟との共同調査で北海道産大豆からプレハーベストが理由とみられるグリホサートの残留が確認されました。これをもとに、日本消費者連盟はホクレン(北海道農協連合会)にプレハーベスト処理の中止を要望し、「プレハーベスト処理を行った大豆はホクレンでは取り扱わない」という決断に至りました。

 (3)北海道新幹線の残土問題

 北海道農民連と市民団体の相談を受けて実施した北海道新幹線のトンネル残土から採取された沈殿土から、環境基準の1・5倍のヒ素を検出しました。このデータがきっかけとなり、実際には、環境基準を最大で270倍超過するヒ素を含む切削土が、2年も前から掘り出されていた実態が明らかになりました。

 (4)豊洲市場のカビと汚染物質調査

 豊洲市場(東京都江東区)の開場直前、場内で大量のカビが発生する汚染事故がありました。分析センターが、発生した菌を採取し、カビ種や有害物質を生成しないかなどを調査したデータを提供し、豊洲市場の衛生管理を改善、徹底させる活動に役立てられました。

(2)ネオニコチノイド系農薬フリーの農産物生産と検査運動

 日本国内でも、ネオニコチノイド系農薬を使わない農産物を求める消費者の動きが顕著で、一部生協でネオニコチノイド系農薬フリーのお米や農産物を表示する動きが生まれています。

 農民連は、積極的な検査運動を呼びかけ、ネオニコチノイド系農薬を含む検査を依頼する会員や組織が増えています。ネオニコチノイド系農薬から別の生産技術への転換がただちに困難であっても、検査の結果があれば、消費者の関心と期待に応えられます。すべての組織で自主的な検査運動に取り組みましょう。

(3)サポーター会員登録を進め、経営基盤の強化

 農民連が掲げる持続可能な生産、安全・安心な食の実現のためには、効率ともうけ最優先の流れにあらがえる生産者、消費者の立場に立った科学検査施設が必要不可欠であり、食品分析センターがその役割を果たしてきました。

 一方で分析センターの経営は厳しい状況にあります。分析センターの経営基盤強化は、農産物の総自由化路線とたたかい、食の安全を守るうえで不可欠です。19年春から進めてきた「農民連食品分析センター強化募金」は、皆さんのご協力により財政の支えとなっていますが、目標の約2割強の到達にとどまっています。3000名のサポーター会員登録を成功させることを軸に、分析センターの経営基盤強化を果たしましょう。

Y.多様な要求を実現する運動

1.税金の自主申告運動

 「売り上げはごまかさず、経費はチリ一つ残さず」、自主記帳・自主計算・自主申告が農民連の税金申告の基本です。「家族農業の10年」を税金の面からも、権利の主体者として行動できるよう、広く農家に呼びかけ申告運動を広げましょう。

 所得税だけでなく、社会保険料負担が家計に重くのしかかっています。住民税や国民健康保険税(料)は所得税の確定申告によって決まります。所得税が住民税非課税限度額を下回ると介護保険料・利用料、医療費の窓口負担、後期高齢者医療の保険料など各種負担が大きく下がり、家族全体では年間で数十万円も違うことがあります。農民連の税金申告は、世帯分離などを活用しながら、家族全体の税負担や社会保険料負担の軽減をはかり、家族のくらしを守る役割を果たしています。

 コロナ禍や大型災害による減収や損害、持続化給付金などの制度を活用した交付金の処理など、20年の確定申告にきちんと対応することが必要です。

 正しい記帳と申告は、暮らし全般に影響することを広く知らせましょう。農民連の『税金対策の手引き』と『記帳簿』を使って、多様な要求で結びつきのある農家に働きかけて会員に迎え入れましょう。「春の大運動」を大きく前進させ、「3・13重税反対全国統一行動」を成功させましょう。

 国保税や消費税など、支払い能力を超える課税がされ、払いきれなくなる場合があります。不当な滞納処分によって営農と暮らしが壊されることがないように、納税(徴収)の猶予、換価の猶予など、納税の緩和制度を積極的に活用しましょう。

2.免税軽油制度の恒久化、高圧線下補償、農業労災など多様な運動を

 燃油価格が高騰しているもとで免税軽油制度を利用して負担を軽減させることは農家の切実な要求です。制度は24年3月まで継続される予定ですが、活用を広げるとともに、恒常的な制度にするための運動を強めましょう。

 電力会社は、発送電分離のなかで、高圧線下補償料の引き下げを地権者に押し付けています。地権者の団結を力に、これ以上の引き下げを許さない取り組みを進めます。

 農業労災、農業資材共同購入、栽培技術交流など、多様な要求運動を広げましょう。

(新聞「農民」2020.12.14付)