農民連第26回定期大会 各地の豊かな実践と経験を交流 農家の要求に寄り添った活動強めよう(2025年02月03日 第1636号)
農民連は1月15日~17日に第26回定期大会を開き、16、17の両日は活発な討論が行われました。53人が発言し、各地の豊かな実践と経験が報告されました。
要求と運動で組織づくり進む

報告する奈良の若者たち
若者や新規就農者からの発言をはじめ、各地での仲間づくりの経験が生き生きと語られました。
奈良県からは若者たち6人が登壇。県連事務局の河野匡志さんは、多様な要求にもとづく「なんでも相談のしおり」を紹介し、新規就農者・宮下祐二さんは、周りに離農する人が多く、耕作を任せられることが増えていることを報告しました。畑田昇男さんは、援農などを進める「助っ人ゴー」の活動を発言し、田中良弥さんは、「近年柿のB品が多いが、普通に売ると安く買い叩かれる。農民連の直売所は価格を相談して決められるため非常に助かった」と語りました。
静岡県の宇都木恒太さんは、税金の要求で農民連とつながり、税金対策部養成講座で学び、友人・知人に農民連を紹介して仲間を迎えていることを報告しました。
滋賀県の中井良久さんは、「農家に足を運び、悩みや要求を聞くだけでも良い。対話は財産」と、働きかけを強め、昨年5月から毎月会員を増やす成果をあげ、「農民連を大きくして県政を変えたい」と語りました。
宮崎県の来住誠太郎さんは、通年での仲間づくりと新聞拡大の提起を受け、免税軽油などの要求で会員の紹介はがきを郵送するとともに、畜産・酪農危機や米騒動の際にも、現地に足を運び、懇談の場を設けるなど、信頼と絆を深める組織づくりをしています。

新聞拡大の経験を語る藤嶋さん
福岡県の藤嶋嘉子さんは、食と農の学習会を15カ所で開催し、新日本婦人の会の会員との懇談の場などで新聞を拡大している経験を報告。
岩手県の岡田現三さんは、米危機の今こそ減産から増産に転換する絶好のチャンスととらえ、助け合いや共同購入で生産を増やし、産直などで仲間を増やす決意を述べました。
住民とともに地域づくり推進
会員が各地で地域づくりを進めている取り組みも報告されました。
和歌山県の宇田篤弘さんは、「にぎやかな過疎をつくる」ことを目標に、農業を軸にしたまちづくりの実践を報告。地域の企業などと連携し、「紀の川流域カンパニー株式会社」の設立を紹介し、「地域づくりの活動を通して500人の会員を達成したい」と決意を述べました。
福島県の岩渕望さんは、新規就農者からの学校給食への出荷要求に応えるなど、支部・班単位で会員要求にもとづく活動を重視し地域をデザインする農民連へと成長していく必要性を語りました。
新潟県の相澤堅さんは、中山間地等直接支払いの第6期が始まり、地域計画の策定も進んでいることから、農地の継承や経営移譲などで相談に乗り、要求での一致で運動を前進させる決意です。
災害支援活動で存在意義を示す
地震や豪雨による被害に対して、支援・救援で奮闘し、行政に声を届ける活動も、農民連の存在意義を示すものです。
昨年1月の能登半島地震とその後の豪雨被害で、富山県の水越久男さんが、いち早く現地に足を運び、被災状況や被災者の要求を聞き取って、対策をとり、行政に声を届けるなど、被災地に寄り添った復興をめざして活動してきた経験を報告。石川県の宮岸美則さんも、全国からの支援に感謝の言葉を述べ、復興に背を向ける県政を批判しました。
山形県の小林隆範さんも、昨年7月の線状降水帯による豪雨被害への全国からの支援にお礼を述べつつ、だだちゃ豆や稲などへの被害が現在も出ていることを告発。会員の要求に寄り添った支援を進めると述べました。
〈参加者の感想〉
全国から多くの参加にびっくり
群馬県の植原映子さん
全国大会には初めての参加でしたので、北から南から文字通り、全国からはせ参じた人の多さに驚きました。1日目の報告も終わり、各地より自慢の食べもののご提供もたいへん楽しませていただきました。
資料集の中の「農村女性のアンケート」に心を打たれました。