アイコン 新聞「農民」

旬の味(2025年02月10日 第1637号)

 「年明けには米の値段は落ち着くらしい」。そんな話が聞こえてきたのは昨年の10月頃、待ち望まれた米が高値で店頭に並び始めた中で言われていたことです▼しかし年が明けても米の値段は下がる気配を見せず、わが家で米を購入してくれるお客さんからも、スーパーでは値段が高く、すでに米不足なのではないかとの話まで出ているとのこと。政府の見通しがいかにいい加減だったのかが露呈したものだと考えています▼最近はキャベツが高額で、とんかつをするにもキャベツのほうが高くつくなど揶揄(やゆ)される始末。今年に入り岩手県ではすでに3件もの鳥インフルエンザが発生し、鶏肉の生産量に多大な影響が予想され、更に酪農家の減少は歯止めがかからず、牛乳も今後不足する事態が出てくるのではと危惧しています▼農業は計画通り生産できるとは限らない非常にリスキーな産業です。この状況はこれまで農業をないがしろにしてきたツケがいよいよ噴出し始めた結果であり、火急的に農政の転換が求められます。(K)