旬の味(2025年02月24日 第1639号)
農民と消費者の提携を75年前に提起した農民組合があった。私が30数年前に熊本市内の産直の配達を終え、書店に立ち寄ったとき、渡辺宗尚著『熊本県農業の展開』が目にとまり、目次に「戦後熊本県農民組合運動史」が▼購入をと思ったが持ち合わせがなく「この次購入する」と。忘れられず後日購入。1945年から50年頃の熊本農民運動が克明に記してあった▼私が注目したのは、46年に第1回全県農民大会が開催され県内各地から1500人が参加。当時の農家の経済状況が多数の参加につながったのでは▼48年の第3回大会では八代郡高田(こうだ)農民組合が提案した、労農提携を呼びかける懇談があり「市民の中には農家の農産物価格確立の要求に対し、消費者の立場で恐れ、農家の中にも要求が通らないと尻込みする傾向がある。労働者が生きる賃金を要求することと、農家が見合う米価を要求することは同じだ」と、農民と市民の連携を呼びかけている。数年後30歳前後の農民組合員を中心に農協を結成した。(よ)