新基本計画に自給率向上を 農民連関東ブロック 農水省要請 米の需給と価格の安定に責任もて(2025年03月10日 第1641号)

農水省に要請書を手渡す関東ブロックのメンバーら
農民連関東ブロック協議会(会長=立石昌義・埼玉農民連会長)は2月26日、国会議員会館で「日本農業を守り発展させ、安全安心な食料を国民に提供することを求める要請」を農水省に対して行い、埼玉、千葉、茨城、群馬、神奈川の各県から11人が参加しました。日本共産党の伊藤岳参院議員が同席しました。
冒頭、立石会長は、「関東地方は首都圏の食と農を担っている地域。新食料・農業・農村基本計画(基本計画)の策定が大詰めを迎え、米高騰や鳥インフルエンザが問題になるなか、さまざまな問題で農水省のみなさんと直接意見交換することは意義がある」と述べました。
農民連は、新基本計画について、食料自給率50%以上を明記し、農林水産予算を現行の倍以上に引き上げること、国連「家族農業の10年」の取り組みを具体化することなどを要請しました。
農水省は、自給率について、「今の生活水準を維持し、自給率を100%にしようとすると、今の3倍の農地面積が必要。国産の増産を大事にしながら、安定的な輸入と備蓄を組み合わせていきたい」と述べました。さらに、自給率について「いろんな考え方があり、米の消費量が減っているもとで自給率を上げるのは困難」との見方を示しました。
農家支援手厚くし自給率向上を
自給率向上に背を向ける農水省に対して、千葉県農民連の小倉毅副会長は、「農家には規模拡大が迫られ、農政に展望がもてず、集落も疲弊している。規模の大きさに関わらず、農家への手厚い支援が必要だ。そうすれば自給率も上がる」と訴えました。
次に参加者は、主食の米の需給と価格の安定に責任をもち、減産から増産政策に転換すること、政府備蓄米を計画的に放出することなどを要望。農水省は「一人一人の米消費量が減っているなかで、需要に応じた生産が必要」などと繰り返し、増産に背を向けました。
埼玉農民連の松本慎一副会長は、「自給率を上げようという意気込みが感じられない。農水省は米の消費拡大にもっと力を入れるべきだ」と批判しました。
そのほかに農民連は、鳥インフルエンザ対策として、拡散しないよう感染メカニズムを解明し、発生地周辺の防止対策の資材に助成することなどを求めました。