アイコン 新聞「農民」

複合災害に見舞われた能登農業の復旧・復興求める 農民連北陸ブロックが農政局要請(2025年05月19日 第1650号)

農政局「営農再開時期見通せず」

国と自治体が一丸となって支援を

 農民連北陸ブロックは4月23日、能登半島地震と豪雨被災者への支援と復興に向けた要請を行いました。(写真)
 要請では、「地震と豪雨という2度の甚大なる被害の早期の復興を、被災者は願っています。現場では、田んぼを整備して今年の作付けをしたいとの気持ちと、どこから始めたら良いのか、このまま廃業しようかとの葛藤が続いています。先祖代々受け継いできた農地を守り、次の世代へと継承していきたいという願いを叶えることが今求められています」と、5項目にわたる要望書を農政局に手交。先月農民連に入会した輪島市の農家の事例も示し、「今年の作付けは諦めたが、いつまで待てばいいのか見通しを示してほしい」と強く求めました。
 農政局からは「被害農地400ヘクタールのうち170ヘクタールで復旧事業を開始。地震と豪雨の複合災害で被害が大きく、農地以外に道路や電気水道などの復旧にも時間がかかっている。河川の復旧工事が優先され農地復旧はその後となるため、営農再開の見通しは分からない」と回答。「農政局が現地に入ったある集落では、被災後初めて行政の人が来たと言われたところもある。支援制度はいろいろあるが、人手不足で現場の自治体が活用できていないなど、支援が進んでいないことは事実」と対応の遅れを認めました。
 農民連からは電気・水道の一日も早い復旧や、国がもっと力を入れて支援に取り組むことなどを重ねて要請しました。
 石川農民連の宮岸美則会長は「いまだに被災後のままの農地があり、復興はこれからで、まだまだ解決すべき問題が残っている。引き続き現場の声を集め課題解決に向けて取り組んでいきたい」と話していました。