梅の実に大きな被害 被害額は47億円に ひょう害 梅の実は2度のひょうで傷だらけ(2025年06月02日 第1652号)
なってくれた実に感謝し収穫に向けてがんばります
和歌山

落果した梅の実
4月に和歌山県内で降ったひょうによる特産の梅の実の被害が深刻です。
和歌山県内では、4月15日までの数日間に、中部から南部にかけての広い範囲でひょうが降り、特産の梅の実が落ちたり傷ついたりする被害が相次ぎました。
和歌山県が被害の状況を調査したところ、これまでに、梅の生産が盛んな田辺市やみなべ町など8つの市と町のあわせて4200ヘクタール余りの農園の梅の実で被害が確認されました。
被害額は、47億1200万円余りにのぼり、和歌山県は、ひょうによる梅の実の被害としては過去10年で最も深刻だとしています。
ひょうによる梅の実の被害は、成長とともにさらに明らかになるケースもあることから、和歌山県は調査を継続し、被害を受けた梅農家への支援などを検討しているといいます。
和歌山県産の梅は、2024年が暖冬などの影響で収穫量が過去35年間で最も少なくなりました。
手記 みなべがわコープファーム 池田朋子さん
去年は1つの枝に梅の実が1個あるかないかの大凶作でした。今年は実のついた頃に2度もひょうが降ってきて、ほとんど傷だらけになってしまいました。
それに、山の方には実のなってない所もあり不作傾向なのでしょうか。
産地全体では44億円との被害だそうですが、農家は100万円、200万円の年収に命がかかっています。みんな、作柄がないのに比べれば、傷でもある方がよく、大事に漬け込む予定だそうです。
うちは青取りの青梅ですが、農薬代と肥料代.収穫の人件費がでるかどうか。
2年連続で収入がないと、他の仕事で稼がなければならず、「でもできる仕事は他にあるかな」などと、おばちゃん連中で言っています。
自然には勝てませんが、温度や雨の隆り方が昔とは少し違ってきたようです。
まずはなってくれた梅の実に感謝し、ガタのきた体ですが、収穫に向けてがんばります。
関連事業者が経営を続けられるよう支援を 紀ノ川農協 宇田篤弘組合長の話

降ひょうの被害を受けた梅の実
みなべ町は、全国の25%の梅を生産しています。全国にも影響が広がりそうです。産地農家だけでなく、加工や物流、小売りなど地域産業全体に大きな影響が出ると思います。関連事業者が経営を続けられるような支援が必要です。