アイコン 新聞「農民」

今年も米作らないと 田んぼを見て思いあふれる(2025年06月16日 第1654号)

輪島市小池町 山崎信寿さん(78) 稲作

地震で傾斜した田んぼ

田植えをする山崎さん(田んぼの奥の方が下がっているため仕切りを入れています)

 田んぼは地震の被害で傾斜ができてしまいました。去年の作付けでは気が付かずに水を入れ、低い方から流れ出る事態に。慌てて途中に波トタンで仕切りを作り、水をとどめようとしましたが水圧がすごく簡単にはいきませんでした。今年は初めから波トタンに土を寄せて畔を作り、1枚の田んぼを2枚に仕切って作付けしました。
 避難所にいたころは生活が落ち着かず田植えをできる状態ではありませんでした。春になって、去年のままの田んぼを見ると「作らなければ」という気持ちが湧きました。新聞「農民」でも米不足の警鐘があったこともあり、自分の食べる分くらいはと作付けに踏み出しました。小池町では再開した人が他にも何人かいます。
 水道と電気はまだ復旧していません。水は小さな沢が山から来ており、そこからホースでとっています。小さな田んぼなので、十分水もたまります。電気は大沢漁港が復旧したら、そちらから復旧工事がされる予定です。
 小さな耕運機で荒起こしして、小さな田植え機で田植えをしました。端の方は手植えをしています。先祖の供養という気持ちもあって田んぼを続けています。
 田んぼの傾斜は自己負担1%で直す話になっていましたが大雨でとん挫し、実施の見通しは立っていません。来年の作付けに間に合うように早く直してほしいというのが集落の人たち共通の思いです。