アイコン 新聞「農民」

旬の味(2025年07月14日 第1658号)

 2016年晩秋に、約40年営まれた梨とぶどうの観光農園を引き継ぎました。この8年は羊たちとのあゆみと重なります▼羊飼いになるのは幼い頃からの夢で、折に触れ「羊を飼いたい」と口にしていたところ、「県内の羊飼いが国際女性デーに来ますよ」と紹介してもらった縁で、就農の翌夏には、2頭の羊を迎え入れることになりました。果樹園の下草刈りスタッフとして、また、看板羊として活躍中です▼毛刈りは年に一度初夏に行います。羊毛は、県内の手仕事を生業(なりわい)としている友人の手に渡り、真っ白に洗われ、紡がれ、染められ、織られ、編まれ、丁寧に命が吹き込まれます。そして、どこかの誰かを必要な時にちょうど良いあんばいで温めてくれていることでしょう▼身に着けるもの何か一つを羊毛に置き換えることから、脱プラスチックへの糸口にしていこうじゃないか。中山間地の小さな農園から発信していきたいと思います。1万年以上前から続いてきた羊と人間の暮らし。その壮大なサイクルに思いをはせつつ。(羊)