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「次は米」「さらに大軍拡を」エスカレートするトランプ政権 自公を少数に追い込もう(2025年07月14日 第1658号)

不当な要求はきっぱり拒否する政治を選挙で!

トランプ大統領(右)と握手する石破首相=2月8日、ワシントン(首相官邸ホームページから)

 トランプ大統領は「日本は深刻な米不足に陥っているにもかかわらず、アメリカの米を輸入しようとしない」(6月30日)と強い不満を示し、「自動車も同じだ。日本はアメリカを搾取してきた。日本との交渉は打ち切り、関税を30~35%に引き上げることを通告する」と脅しています。

 

「次は米」―アメリカの狙い

 口から出まかせ、大きく吹っかけて取引に持ち込み、相手をねじ伏せるのがトランプ流ですが、「狂った王」(英国紙フィナンシャル・タイムズ)と呼ばれるトランプ大統領の横暴と無法がエスカレートしています。
 アメリカ米の輸入は2024年度で35万トン余り、率にしておよそ半分を占め、米どころ宮城・山形・福島各県の生産量に匹敵します。「アメリカ米を輸入しない」などというのはウソっぱちです。
 トランプ第1期政権時代も25%の自動車関税で脅しをかけ、発動しない見返りに牛・豚肉の関税を引き下げさせましたが、今度は米にまで踏み込む-事態は重大です。
 7月2日に発表されたアメリカとベトナムの関税合意では、ベトナムからの対米輸出品には20~40%の関税、アメリカからベトナムへの輸出には関税ゼロ。大きく吹っかけて相手をねじ伏せるトランプ流そのものであり、トランプ氏がこれを成功体験として対日圧力を強めることは間違いありません。

 

関税+大軍拡の要求で脅しあげ

 もう一つ重大なのはトランプ政権が関税+大軍拡要求の二正面作戦で脅しあげていることです。
 「関税で米国市場への“ただ乗り”を止める一方で、米国の防衛に大きく頼る同盟各国には安保負担増を求め、通商面でもより多くの譲歩を求める圧力を強めるに違いない」(「日経」4月1日)--この指摘は現実のものになっています。
 自動車の輸出を守るために農産物が次々と犠牲になってきたのに加えて、今度は軍事費拡大圧力をからめて農産物が犠牲になるという構図です。
 フィナンシャル・タイムズ紙は6月20日、トランプ政権が日本に対し、軍事費を国内総生産(GDP)比3・5%まで引き上げるよう要求したと報じました。
 さらに北大西洋条約機構(NATO)は6月25日、加盟国にGDP比5%の軍事費を求める方針を決定しました。ヘグセス国防長官は「GDP比5%は世界基準だ」と断定し、日本を含むアジア太平洋地域の同盟国にも軍事費の大幅な拡大を要求しています。
 トランプ政権のGDP比3・5~5%の軍拡圧力が通ったらどうなるのか--。日本は27年までに軍事費をGDP比2%、11兆円にすることを決定していますが、3・5%だと20兆円、5%だと28兆円に急増します。24年度の消費税収は25兆円。消費税を全部軍事費に注ぎこんでも足りません。

 

軍事費が農業予算の9~13倍に

 トランプ政権の大軍拡圧力が暮らしも農業も押しつぶすことは必至です。
 農業予算と軍事費を比較してみましょう(図)。1980年代前半、軍事費は農業予算の3分の2でしたが、いまや大逆転し、2025年には軍事費が農業予算の3・8倍になりました。自・公政府が農業予算を急増させることはありえませんから、GDP比3・5~5%増の場合、農業予算の9~13倍という途方もない水準になります。
 トランプ政権の不当な要求をきっぱり拒否し、米危機打開・食料自給率向上のために農業予算を大幅に増やして“国民の命と安全”に責任を持つ政治の実現を、そのために自公を少数に追いこみましょう。