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栃木県 公立小中学校で 4月から給食無償化へ(2026年03月16日 第1691号)

「考える会」
学校給食無償化とともに地場産農産物の活用も
運動で実現

運動の経過を伝える
「栃木県の学校給食を考える会」ニュース

 栃木県の学校給食を考える会(会長・宇田靖宇都宮大学名誉教授)は、これまで「小中学校の給食無償化」及び「地場産有機農産物の活用」を運動の柱として活動してきましたが、2026年4月から国の小学校の給食無償化とあわせて栃木県独自に中学校の給食無償化を実現することができました。
 栃木農民連は「考える会」の事務局を担当してきました。

署名提出と要請・懇談して運動

 栃木県の福田富一知事は、1月6日の新春記者会見で、26年度から栃木県独自に公立中学校の給食無償化に取り組む意向を表明しました。栃木県は、東京、青森、和歌山に続き、国の動きに先行して中学校までの給食無償化に踏み出すことになります。
 栃木県の学校給食を考える会は、19年5月12日に設立以来、小中学校の給食無償化と地場産有機農産物の活用など、子どもたちの健康と環境にやさしい豊かな学校給食を求めて運動を進めてきました。
 学校給食についての栃木県知事あての署名を24年に6335人分、25年に2716人分集め、県教育長に提出し、要請・懇談してきました。
 その大きな柱である学校給食の無償化の扉が大きく開いたという点を歓迎したいと思いますし、この間の私たちの活動とともに、国や地方の議会活動をはじめ各地で無償化の運動に携わってこられた皆さんの願いにもかなったものと言えるのではないでしょうか。
 もともと、憲法26条は「義務教育は無償」としており、義務教育での学校給食は国の制度として無償にすべきです。
 石破政権当時、自民・公明・維新の3党合意で小学校の無償化は4月から実施予定となっていました。

県知事選挙でも政策掲げ争点化

 24年11月の栃木県知事選挙の際、福田知事候補は、「みんなで県民の知事をつくる会」の針川さくま知事候補の「学校給食無償化」「地場産有機給食」の政策に触発されてか、告示直前に「学校給食無償化」の政策を掲げ当選しました。
 当選後、福田知事は、県議会での野村せつ子・共産党県議の質問に対し、1年かけて市町と協議しながら無償化の道を探りたいとしてきましたが、協議の末、公立中学校給食の費用32億円を折半する形で決着。生徒一人当たり5900円を県と市町で支援予定です。ちなみに政府は、公立小学校の給食費について児童一人あたり5200円を支援します。

市町の負担が膨らまないよう

 また、無償化に関わっていくつかの懸念事項が考えられます。小学校5200円、中学校5900円の基準額を超えた場合に超えた額を負担できない市町が出ないか、物価がさらに高騰した際に市町の負担が膨らまないか、次年度以降の「国の臨時交付金」が減額されないか、私立や国立校の児童生徒は対象外となるのは不公平ではないか、食物アレルギー対応の弁当代も含まれるかなどです。
 いずれにしても、保護者の経済的負担、学校現場の事務負担などを完全になくしていくことが強く求められます。県だけでなく国には制度設計を含めて丁寧な支援のあり方が、今後求められています。

豊かな学校給食求めて運動進め

 学校給食をめぐっては、そのほかにもさまざまな課題が山積しています。
 老朽化した給食調理場の改修や空調設備の改善、安心して食べられる地場産有機農産物の活用と供給体制づくり、食物アレルギー対応施設の充実と人的配置なども早急な対応が求められています。
 栃木県の学校給食を考える会として、この度の「中学校までの学校給食無償化」を大きな前進として歓迎しつつ、子どもたちの健康と環境にやさしい豊かな学校給食にすることを通して、地域の活性化にもつなげていきたいと考えています。

(栃木農民連事務局長 野村和史)