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分析センター・八田所長を講師に 消費者の選ぶ権利と食の安全を学ぶ 長野・中信農民センターが共催で学習会

八田所長の話に耳を傾けました

 長野県農民連中信(ちゅうしん)農民センターと「食の寺子屋」との共催で3月6日、松本市内で「食を正せば命が輝く」と銘打って学習会が開かれました。講師は農民連食品分析センターの八田純人所長が務め、66人の参加があり大盛況でした。

 八田所長が約2時間の基調報告を行い、その後質疑応答。消費者には買い物の際、買う権利と買わない権利の2つの権利があり、ものを買うときは食を正すという視点が大事だということがわかりました。

 生産者の思いと消費者の思いをうまく循環させるには、売られているものの正体(添加物を含めて)が本当に自分の欲しいものか、安全なものかに意識を向け、「買わない」という選択肢も大事だと学びました。

 食の安全に高い関心のある母親からの報告も印象的でした。息子が幼少のときから食べるものに気をつけていましたが、息子が大学生になり親元を離れ、これまでの食生活の違いに不安を感じていたところ、帰省の際、母親と子どものネオニコチノイド系残留農薬の検査を行い、母親からは検出されたのに対し、子どもは不検出でした。「自分の教えを息子が守っていた」と喜んだのも束の間、調べてみたら、野菜や果物をほとんどとらない食生活をしいていたことがわかり、がくぜんとしたことを聞き、深刻さを感じました。

 参加者のなかには、朝日村で有機農産物を実際に栽培し、自分たち自身を含め消費者に安全な農産物を届けている若者も複数参加し、非常に心強いものを感じました。

 食べることは生きること、そして生きることは食べること、一人の力は小さいが、皆が集まれば何かが動きだすのでは、と希望を感じました。(長野県農民連 滝澤睦広)