元気にがんばっています 東京農民連(2024年05月20日 第1601号)
あすの農政を変えるため 仲間ふやし・自給率向上へ
農政を変えるため、仲間を増やし、自給率向上署名を集めよう――。東京農民連が元気に活動しています。4月27、28日の取り組みを紹介します。
“軍拡より農拡だ!” 練馬・若者主催の学習会
農民連顧問の横山さんが講演

学習会では「明日からできること」として横山さんが「食品表示をチェックして国産のものを買おう。小麦粉製品の『国内製造』に注意!」と解説
4月27日、東京都練馬区の公共施設ホールで学習会「食料自給率38%でいいの?輸入が止まったら日本はたちまち飢餓国に!」が開催されました。講師は農民連顧問で東京農民連の横山昭三さん。「ユースがめざす未来実行委員会」と「ねりま9条の会」の共催で行われ、会場には45人が集まりました。
横山さんは、全国連作成の講演資料をもとに独自の視点も交えて講演。日本の“失われた”農政60年をひも解き、自給率38%が意味するもの、農業基本法の改定案の中身を解説し、「アメリカによる支配と大企業の利益優先の政治をあらため、農業再生という平和に続く道をともにつくろう」と呼びかけました。
主催メンバーの一人、伊集院ヒロキさん(25)は「23区内で一番農地が多い練馬区でいま、農業について学ぶ必要性を強く感じて企画しました。若い世代は気候危機の問題をきっかけに農業に関心を持つ人が多いです」と話しました。「軍拡より農拡だ」のフレーズも今回の企画を話し合う中で出されたそうです。
農民連が取り組む自給率向上署名は「ねりま9条の会」からの呼びかけで1000人分を超えました。
学習会に参加した群馬県渋川市で青果店を営む皆川義幸さん(77)は、「横山さんが言う『アメリカ支配からの脱却』が本当に大事。私も長年、市場に関わってきたが生産者と消費者の分断、小売りや流通・運輸や非正規雇用など様々な問題の根本はアメリカ支配だと実感している。大きな固まりをつくらないといけない」と話しました。
町田でたけのこ市開催 大都市の農業の役割知って
駒大学生たちがはりきって販売

暑い中とぶように売れました

参加したゼミ生(前列)と農家の皆さん。後列一番右から横山さん、(一人おいて)大谷さん、(一人おいて)武山さん、姉歯教授
翌28日は東京都町田市の農家で東京農民連会員の大谷知(さとる)さんの自宅前で、たけのこ市を開催しました。東京農民連町田支部と「町田の農業を考える会」が主催し、この日は「大谷さんとは20年来の付き合い」と話す駒澤大学経済学部の姉歯曉(あき)教授とゼミ生の皆さんも参加し、新鮮なたけのこや葉物野菜をにぎやかに販売しました。
「大谷さんのたけのこは柔らかくておいしい」「コロナ前は毎年楽しみにしていたが、また再開してくれてうれしい」と次々に訪れる人たちに買い求められるたけのこ。姉歯ゼミの学生たちが目の前の大谷さんの竹林に行き、掘ってきてはきれいにして並べる、を繰り返しました。
参加した地元農家の皆さんも学生とのたけのこ掘りや軒先での販売に大忙し。来場者に農民連の新しい号外チラシを手渡し、自給率向上署名への協力を呼びかけました。
大谷さんは「私自身、高齢になったが都市農業を守るために若い世代にやってもらえるように努力している。地域の人たちからは『野菜市を毎月やってほしい』と言われている」と話し、武山健二郎会長も「巨大都市の東京で農家がいかに大事な役割を担ってくれているか、多くの人に知ってもらい、農家の仲間を増やしていく」と語りました。
たけのこは120本以上売れ、野菜もすぐに完売。署名は63人分が集まりました。