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農民連北陸ブロック4県が能登震災被害者支援で北陸農政局交渉(2024年05月20日 第1601号)

被害実態を把握し営農への支援を 緊張感ある活発な要請

北陸農政局に現状を訴える農民連北陸ブロックのみなさん

 農民連北陸ブロックは5月8日、能登半島地震で被災した農家への緊急対策と被災者支援を求める要請を行いました。
 要請には石川、富山、新潟、福井の北陸4県の会長をはじめ10人が参加。能登半島地震被害者共同支援センター責任者の藤野保史前衆院議員、佐藤正幸石川県議が同席しました。
 冒頭、宮岸美則石川県連会長が北陸農政局長あての要請書を渡し、(1)被害実態調査の全面実施(2)復旧工事の査定前実施の広報(3)農業資材等掛かり増し経費への支援(4)支援は被害農家のすべてを対象に(5)長期の特別融資の実施(6)政府備蓄米を支援米に――の6項目の内容を説明しました。
 4月に着任した農政局の清水友和企画調整室長は、「現地を訪ねてみて聞くのと見るのでは大違いだった」と感想を語り、現場の意見を聞いて支援にあたりたいと要請事項にについて回答しました。
 参加者からは「能登の白米千枚田は用水が壊れ、今年作れる田んぼはわずか。奥能登2市2町の米の作付けは6割。これから水を張ってみないとわからない田んぼが多い。土手が崩れ、用排水が壊れたところは人力では直せない。能登を本気で復興しようというなら国が責任をもって直してほしい」「富山県小矢部市では液状化で、畦畔ブロックがゆがんだり、田んぼに大きな穴があき被害は甚大。調査を全面的に行ってほしい。作れない田んぼに米以外の作物を作れというが、技術も機械もないのにそう簡単にはできない。作れない田んぼへの直接支援をお願いしたい」など復興への切実な願いが各県から出されました。
 「仮設住宅や、自主避難の所は食料支援が打ち切られたり届かなくなっている。炊き出しや食料支援を2月8日から輪島で6週連続で行ったが回を重ねるごとに被災者の方が増え、お米や野菜を求める方が多くなっている。国の備蓄米をぜひ支援に回してほしい」などの強い声がありました。
 この間全国からの支援米は8千キログラムを超えました。清水企画調整室長は、県や市町村からの要請があれば備蓄米を供給する準備はあると答えました。
 要請は終始、現地の声を伝え、活発な要請行動となりました。北陸農政局の対応も親切で回答にも前向きの姿勢を感じました。引き続き県や市町村への要請を行い、能登の復興に向けて運動を強めていきたいと思います。

(富山県農民連 水越久男)