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なんてったって!伝統食 継いでいきたい日本の食の会 季節の野菜をたっぷり 多くの野菜も蒸し料理に合う 免疫力を高める努力を 栗原澄子(2024年05月27日 第1602号)

 四季折々に収穫される野菜を見ながら日本の食の豊かさを実感します。南北に長い日本列島のおかげで九州のものが出始めてから北海道のものが出るまで長い期間、新鮮なおいしいものを食べ続けることができています。
 国民の健康維持のために、多くの野菜を毎日の食卓に取り入れることを、今もう一度見直す時です。日本人の野菜、果物のとり方が減っている報告があり、特に若者や高齢者の食生活が問題視されています。
 腸を元気にして、免疫力を高め、病気になりにくい体作りにとって、野菜の食物繊維は欠かすことができません。腸内細菌を元気にするエサが食物繊維なのです。免疫力を高める食習慣をつける努力を。日本の伝統食として食べ継がれた発酵食品が加われば、免疫力は倍増です。生野菜で食べるより、加熱した野菜の方が、抗酸化物質が摂取しやすくなるし、たくさん食べることができます。
 今、気をつけなければならないことは、保存料など添加物使用の多い加工食品のとりすぎが、腸内細菌を枯死させ、腸の活力を低下させるので要注意です。

蒸し野菜

 手元にある季節の野菜をたっぷり蒸して、好みのタレでいただく。ほとんどの野菜が蒸し料理に合います。太めのネギも甘くておいしい。カブもトロッと柔らかく、イモ類はどれを使ってもおいしい。切り方を10分で蒸し上がるようにすればよいでしょう。
 たくさん作った蒸し野菜の余りは、翌日にシチューにする。煮込む時間短縮でエコ料理となります。とにかく手軽な方法で1日350グラム以上の野菜類と200グラムの果物をとる工夫を身につけたいです。
 蒸し器の中に、豚肉や鶏肉も一緒に蒸せばたんぱく質もとれます。タレにみそやごまが入っているのは免疫力を高める要素になります。
 タレをまとめて作っておくと便利。今回は胡麻酢と梅酢みそを紹介します。
 今、家庭で消えかかっている調理用具は、すり鉢と蒸し器です。大切な調理道具なのに。子どもたちにどんどん使わせたい。そして、おいしいねと言わせたいのですが。


ごま酢
 金ごまのすりごま・大2~3(すり鉢でする)
 酢・大さじ2
 砂糖・大さじ2
 ごま油・小さじ2
 しょう油・小さじ2
梅酢みそ(福岡・八女〈やめ〉の伝統料理)
 これから迎える青梅の季節に作っておくと1年中使え、いろいろな料理に役立てられます。
 青梅・1キログラム
 米みそ・1キログラム
 砂糖・600グラム~800グラム
 (1)青梅は洗って、拭き上げる。
 (2)保存ビンに下から梅、みそ、砂糖を入れていく。
 (3)半月後、梅を取り出す。
 *梅を入れたままにしておくとサラサラになる。