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急逝した祖父の跡継ぎ就農した ネットの動画から知識学ぶ 米・小麦を生産 酒米にも挑戦 農民連の懇親会楽しい 農作業の相談もできる 埼玉・加須市 髙𣘺 大輔さん(24)(2024年05月27日 第1602号)

髙𣘺大輔さん

 埼玉県加須市の髙𣘺大輔さん(24)は就農3年目で、米10ヘクタールと小麦4ヘクタールを耕作しています。地域の農民連の役員が声をかけ、2022年の稲刈り前に農民連に加入、昨年からは酒米の作付けも始めました。
 「革靴職人の専門学校に通っていましたが、2ヘクタールの米を作っていた祖父が急に亡くなりました。農業は嫌いではなく、トラクターなど機械が元気な状態で残されていたので、父と2人で耕作することにしました」
 まったく知識のない中での就農となり、トラクターの乗り方などは動画サイトYoutube(ユーチューブ)を見て勉強したといいます。
 「最近は多くの農家などが配信しており、トラクターの操作方法なども、かなり詳しく解説されていました。農作業の時期も近所の農家のSNS発信を見てやっていました」と手探りの状態でスタートしました。

地域の放棄地を借り面積ふやす

ちょうど田植えの準備中でした

 農民連には農作業中に近所の役員が声をかけたことがきっかけで加わりました。「農作業などの相談にも乗ってももらええるし、懇親会が楽しいです」。農民連からの誘いで酒米(五百万石)の作付けにも去年から挑戦し始めました。
 「この地域でも耕作放棄地が増えてきており、自分にも何かできたらという思いで、中間管理機構や農家から農地を借りています」と話す髙𣘺さんは現在14ヘクタールまで面積を増やしています。
 髙𣘺さんに昨年の猛暑は大きな被害をもたらしました。「五百万石以外の米は実が入らなかったものが多く大幅な減収になりました。猛暑の影響を減らしたくて、今年はできるだけ作業、作付け時期を早めています」
 今は慣行栽培のみですが「生産技術が身について経営が安定したら、減農薬や無農薬栽培にも挑戦してみたい」と意欲的に語っていました。