アイコン 新聞「農民」

農基法改定案廃案行動(5月28日)へのメッセージ(2024年06月10日 第1604号)

日本の国のありようを食から変えよう
OKシードプロジェクト 事務局長 印鑰智哉

 OKシードプロジェクト事務局長の印鑰(いんやく)智哉さんから5月28日の「農基法改定案廃案国会行動」にあたってメッセージが届きました。全文を紹介します。

 いったい国会はなんという場になってしまったのでしょうか? いったい何という法案でしょうか?
 気候危機などの多重危機が急速に進む中、すでに日々、食料危機が深刻化する時代に私たちはいます。コンビニの弁当も、学校の給食も、本当に年々栄養が足りなくなっていないでしょうか。2022年に国連は日本を5%未満の栄養失調者が存在する飢餓国と位置づけました。そんな先進国は世界では存在していません。
 今後、危機がさらに深刻化したら、誰に頼らなければならないのでしょう? 言うまでもありません。農家の方々です。社会の人びとの命を救えるのは農家なのです。それをまったく逆に犯罪者扱いするような法案と一体となった食料・農業・農村基本法案で、今後の社会をどうできるのでしょうか? モラルも現実に向かい合う精神も失われた政府では日本は破滅国家になってしまいます。
 ハチが姿を消し、予想を超えた高温や豪雨によって生産も困難になっていく地域が増える中、今、必要なのは地域連帯で、命を守る食を作り続ける社会です。いざとなった時に命を守ってくれる農家の重要さ、農村地域、農業が持つ意義を今後、身に染みて感じる時代になるでしょう。日本史上、かつてないほどの、大きな変革が求められていると思います。
 現在の政権はそうした大きな変化をするための能力もないことがはっきりしました。日本全国の地域で覚醒(かくせい)しはじめた人びとは急速に増えています。地域の食のシステムを変えるための人びとの連合を作りましょう。日本という国のありようを根底から、食から変えていきましょう。