石川・穴水町で被災者支援
炊き出しに行列絶えず感謝の声
5カ月たっても復興には程遠い
奈良県農民連産直センター
小林 陵平さん(手記)

被災者に食事や農産物を配布しました
5月28、29の両日に能登半島の被災地支援として、支援物資を届け、炊き出しを行うために、奈良県農民連組合員の中井政友さん、中井好子さん夫妻、産直センタードライバーの嶋田恵(さとし)さん、事務局の小林の4人が現地に向かいました。
倒壊した建物やがれきそのまま
28日は午前10時から出発し、石川県羽咋市の能登半島地震被災者共同支援センターへ午後5時頃到着。事務局長の黒梅明さんたちと打ち合わせを行い、ボランティア会場となる穴水町まで更に1時間かけて移動しました。宿泊は支援センターに準備いただいた住居で一晩を過ごしました。台風1号の発生に伴う大雨の影響もあり、現地入りが遅れ、周りも薄暗く視界も悪かったこともあり本格的に被災の状況を目の当たりにするのは翌日になってからでした。
29日は朝から雨も上がり、周囲の状況がよくわかるようになりました。震災発生から5カ月ほど経つにも関わらず、倒壊した建物やがれきはいまだ多く「道は通れる」ようになってはいますが、復興には程遠い状況は明らかでした。
1時間以上も並んで待つ人も

長い行列ができました
のと鉄道七尾線の穴水駅前、穴水公民館(穴水町さわやか交流館プルート)の一画をお借りして炊き込みご飯120人分の炊き出しと、水372リットル、米193キログラムを配布しました。
私たち以外にも支援センターの物資提供や、富山県の別の団体によるそばの提供などが行われました。
炊き込みご飯の仕込みなどは午前8時ごろから開始、10時頃には石川農民連の宮岸美則会長も合流し、12時開始に向け準備を進めました。10時過ぎにはチラホラ人が集まり始め、11時には列ができました。1時間以上並ばれている方もおり、地元の社会福祉協議会の方とも協議して15分程前倒しで配布スタートとなりました。
配布開始から20分も経たないうちに準備していた5升分(約80人分)の炊き出しは配り終え、機械トラブルで炊き上がりが遅れた3升分にも40人近くの人が並び最後まで行列が絶えることはなく全ての物資を配り終えることができました。
まだまだ復興に時間と支援必要
並んでいる方々との会話の中で「これだけ炊き出しをしてくれる団体がまだあることに感謝したい」「家から出られない家族もいるので、わがままかもしれないがもっと豊富に提供してくれたらうれしい」と言った声を聴き、まだまだ復興には時間も支援も必要であると感じました。
またボランティアに参加してくれた嶋田さんは「炊き出しを通じて微力ながらお役にたてればと思い活動しました。みなさんから『ありがとう』の言葉をいただき助け合いの大切さを実感しました」と感想を話していました。
被災地の早期復興を願いながら自分のできる協力をしていきたいと思います。