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農のこころ 老鶯の声ひろびろと鍬に顎 永江 大心(2024年07月08日 第1608号)

 俳誌『しなの』から。「老鶯」しは老いた鶯ではなく、夏になっても鳴く鶯のことを言う。春は平地で鳴いているが、繁殖のため山に入っていく。山畑で聞く鶯の声は遠くまで透通るようだ。鍬使いの手を休めて、鍬の柄に顎を載せ小休止。しばし声に耳を傾ける。「鍬に顎」とは、その恰好の面白さを捉えたのである。