アイコン 新聞「農民」

育てているのは私たちの未来とぼくらのおなか(寄稿)

愛媛県農民連に加入した 門田 寛子さん

 愛媛県松山市の門田寛子さん(松山市議会議員=無所属=)はこの春、愛媛県農民連の仲間に加わりました。門田さんに食と農に関わる自らの取り組みと、農政への思いを寄稿してもらいました。

 

楽しく笑ってお田植え祭開催

女子高生たちと田植え(左手前が門田さん)

 6月7日、松山市内で小さな子どもからおとなまでで「お田植え祭2024」を開催した。総勢120人。9日には、女子高生たちと田植えをした。稲刈りし、米の販売までする予定である。
 メインは子育て中のママたちで、仕事と家事をしながら皆で力を合わせ田畑を耕しているのだ。できる人ができるところでできることをできるだけしていく…楽しく笑っておもしろく、をモットーに愛媛松山自然栽培農学校「畑のがっこう」ができた。
 そんな私たちも5年目に入り、ご縁があって、静岡県浜松市で自然栽培農学校をされている女優の熊谷真実さんに来ていただけることになった。
 今回のお田植え祭でもどれだけの多くの方々に助け支えられているか感謝しかない。山からの恩恵を受け、皆で作物を育てる。そこには、算数も理科も社会、国語もある。もっと言えば、教育、経済や文化、コミュニティーももちろん自然が織り込まれている。
 女子高生たちに、田植え前の説明をする際、農業のイメージを聞いてみると、「伝統がある・地域によって特徴がある・人の手と機械とが必要・コミュニケーションがいる・時間をかけておいしいものを作る・愛がある・仲が良さそう・達成感」…などの言葉が出てきた。私は前向きな意見にうれしかった。
 そんなイメージをもつ女子高生と一緒に作るお米が文化祭に並ぶのが楽しみでならない。
 そして、もみまき~稲木干しまで、小さな子どもたちからおとなまでで作ったお米は、学校給食(地域にあるセンターに出荷)で子どもたちが食べる予定になった。1日だけど、そこからスタートだ。できないこともあるけれど、できることからしてゆけば良い。そのような思いを込めて、松山市議会議員の1期生としても「農は宝、子は宝」で活躍させていただいている。

 

農政を変える取り組みともに

 今、各家庭の食卓をみれば一目瞭然だが、自給率(カロリーベース)は38%で、種を考慮すると10%台とも言われている。ここには1人1人の意識・民意が必要である。だからこそ地産地食。
 自然と共に暮らし、それが生きる力の教育となり、人は自然の一部であり、農は自然そのものである。大地が持つ本来の力を共に育むことが古来ずっと続いてきている。そして私たちは自分たちがつくったこの世界を子どもたちへ襷(たすき)を渡す。自信を持ってバトンを渡したい。
 農民連のみなさんとは、行政や農協に私たちの声を伝え、実現していく取り組みを一緒に進めていきたい。食料自給率向上と農業の振興をめざしてご一緒にがんばりましょう。