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なんてったって!伝統食(2024年07月29日 第1611号)

継いでいきたい日本の食の会 ごまやくるみを中に入れ しそのみそ巻き 免疫力アップで夏バテ防止に 栗原 澄子

 毎年、この時期になると庭には前年に落ちた青シソの種が大きく育ってきます。今年もこのシソの葉を毎日の食事に使い、楽しみたいと思います。何といっても家で育てるので、その葉は無農薬で安心です。
 私がお勧めなのは、常備菜としてご飯の友に、そしてお弁当に、ビールのつまみに、さらに、みそ料理なので免疫力アップで夏バテ防止に、いろいろ役立つ「しそのみそ巻き」です。作ってお友達にも小さなお土産にして持って行ったりしています。冷凍も可能なので、しその葉が元気なときに、たくさん作っておくと重宝します。
 このしそ巻きは宮城県、岩手県、山形県などで郷土料理として好まれ作られているようです。中にごまやくるみを入れています。いろいろな作り方を見ながら、私が今作っている材料と分量のレシピをご紹介します。もち粉を入れているので、もっちりしているのが特徴です。揚げ油は国産の米を使ったこめ油を選んでいます。「こめ油」と大きく表示されているものでも、タイ米産のものなどもあるので、しっかり裏の表示を見る習慣をつけたいです。

▼自給率の現状考え一緒に料理

 私たち伝統食の会では、常に日本の食料自給率向上を目指した食生活を心がけています。農家の方々が心を込めて作った作物をしっかり使わせていただき、消費者として、日本の農業危機を打開する運動に力を入れています。そのことが、孫の代の食生活を保障することにつながると思うからです。その努力なしでは日本の食文化が次の世代に引き継がれていきません。
 先日、長野県駒ケ根の白毛餅生産者のところを訪ねました。農民連ふるさとネットワークを通して食べていた白毛餅の生産者にお会いできたことは喜びでした。食の話をしていくうちに、駒ケ根は黒ごまの生産が盛んだということを知りました。ごまは手がかかるのでとても大変な作業過程で製品にするものです。消費者にとって国産ごまは手に入れにくいものです。現在、ごまは99・9%が輸入に頼っている現状です。日本の食に欠かせないごまを自国で作らない農業の実態を知り、なぜ日本の食料自給率は低いのか、多くの方と料理を一緒に作りながら、自給率を話題にしていく会をこれからも続けていきたいと思います。


shiso

しそのみそ巻き
材料
青じそ75枚
みそ250グラム
砂糖140グラム
もち粉80~100グラム
炒りごま大さじ2
一味唐辛子(小さじ1/2~1)好みで入れてもよい
酒大さじ1
揚げ油適量
つまようじ25本
 作り方
 (1)ボールにみそ、砂糖、もち粉、ごま、(一味唐辛子)を合わせて酒を加え練る。
 耳たぶくらいの固さに調節する。固い場合は酒で調節。1時間ほど休ませる。
 (2)青じそはきれいに洗い、ふきんで拭いて、葉の裏側に小指の半分くらいのみそをのせ、葉の付け根の方から巻いてつまようじに3本ずつ刺す。
 (3)低温(130~140度)でゆっくり揚げる。しその葉が鮮やかな緑になったら油を切る。
 *みその種類で辛さも違います。甘さなど好みで。