秋田県農民連 「希望する農家に従来の種子の供給を」
農家と消費者の選ぶ権利を奪う「あきたこまちR」
消費者庁に不当表示を防ぐ措置を求めて42団体が申し入れ
秋田県はカドミウム対策として、2025年から米の作付けを「あきたこまちR(アール)」に全面的に切り替え、「あきたこまちR」という品種名を表示しないまま「あきたこまち」として販売する計画です。これでは消費者は従来からの「あきたこまち」か、それとも重イオンビーム放射線育種でできた「あきたこまちR」なのか、知ることができません。農家が種子を選び、作付けする権利や消費者の知る権利・選ぶ権利を侵害することになります。
放射線を使った遺伝子の形質改変にも農家や消費者から不安の声が出されています。
秋田県農民連(小林秀彦委員長)は、県に「県農業を守るための対策を求める要望書」を提出し、「生産者や消費者が従来の『あきたこまち』を選ぶ権利を保障するべき」だとして「希望する農家に『あきたこまち』の種子を供給するよう」要望しています。
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市民・農業団体院内集会を開く

参加者から不安の声が出された院内集会
6月14日には、「『あきたこまちR』の不当表示問題を消費者庁へ要請する市民集会―2025年産『あきたこまち』の品種は何なの?―」が参議院議員会館で開催されました。会場とオンラインで約200人が参加するなか、全国各地の消費者団体、環境市民団体、農民連も含む農業関係団体等42団体が賛同する「要請書」が消費者庁の担当官に手渡されました。
食品表示に関わる法律には景品表示法や食品表示法がありますが、このような表示は景品表示法で規定されている「誤認」を招く「不当な表示」や食品表示法の「適正」でない表示にあたると考えられることから、こうした事態を未然に防ぐよう、これらの法律を所轄する消費者庁に速やかな措置を求めるという申し入れでした。
日本消費者連盟の原英二さん、分子生物学者で遺伝子操作を考える中部の会の河田昌東さんから、市民・消費者の側からの懸念が表明されました。