憲法を守れ 若者憲法集会開催
全国で青年の対話広げ平和を守る世論作りを
敵基地攻撃能力保有を許すな

仲間とともにアピールする参加者
東京都知事選挙の真っただ中の6月30日、若者憲法集会とデモが東京都内で行われました。集会には全国から800人が結集し、銀座デモには1200人が参加しました。主催は農民連青年部も参加する同実行委員会です。
集会の開会あいさつで全労連青年部の用松(もちまつ)寛秋副部長は「憲法を守ろうとする仲間が全国にこんなにもいることに心強く思う。新しい戦前となることを許してはならないという思いを共通のものにし、不安を感じている青年に呼び掛けていこう」と述べました。
メイン企画では九条の会事務局長で東京大学名誉教授の小森陽一さんが講演。
小森さんは4月の日米会談に対し「南シナ海の航行の自由や台湾海峡の安定化について、安倍政権ができなかった日米共同行動を明確化し、対中国紛争に備える危険な共同声明だ」と批判。「敵基地攻撃も明記した共同声明の危険性を周りの人に知らせてほしい」とウクライナやガザでの戦争反対や辺野古新基地建設反対の運動、地元の九条の会と連携した草の根の運動を呼びかけました。
また小森さんは「戦争できる国にしてしまうのか、9条を生かした国に立て直すのかが、そこにかかっている」と九条の会結成当時の世代と若者世代の連携強化を訴えました。
最後に小森さんは「『若者』『青年』は戦争に動員されるかどうか、分かれ道の年代だった。みなさん一人一人が周りとつながるネットワークを生かして、アメリカと一緒に戦争できる国づくりを阻止して、平和を前進させる運動を大きくしよう」と呼びかけました。
北海道札幌市南郷7丁目北ネットワークの北島匡洋さんはシールボードを活用した対話宣伝に取り組み、「学習と宣伝を重ねる中で、敵基地攻撃能力保持に反対の人も賛成の人も対話できるようになった。青年たちは明日を生きるので精いっぱいだが、話しかけると平和への思いを語ってくれる。身近にこうした思いを抱えた青年が大勢いることは、ネットワークで活動しなければわからなかった」と話しました。
全日本教職員組合・北九州市教職員組合の宮地智広さんは小学校4年生の国語で太平洋戦争を扱った「一つの花」の学習中、「『毎日敵の飛行機が爆弾を落としていった』『お父さんが戦争に行かなくてはいけない日になった』というところで『なぜ?』という声が上がった。戦争が続く中で世界中の子どもたちは『なぜ?』という思いで見つめている」と述べ、「子どもたちと同じように『なぜ?』と声を上げ、憲法が理想に掲げる社会の実現に向けてがんばろう」と呼びかけました。
閉会あいさつで日本民主青年同盟の西川龍平委員長は「全国各地で青年の草の根の運動が広がっていることは、10年前から始まった若者憲法集会の大きな成果で、集会の意義はますます大きくなっている。運動の高揚こそが世論を作り、政権を追い詰め、政治を変えていく。平和を求めるネットワークをさらに広げ来年の若者憲法集会を迎えよう」と呼びかけました。

集会後は銀座をデモ行進。1200人がリズムに乗って「日本を戦争国家にするな」「憲法変えるな憲法生かせ」と沿道にアピールしました(写真下)。