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「核のない平和で公正な世界へ」誓い合う(2024年08月26日 第1614号)

原水禁2024年世界大会広島

各地から集まった市民が取り組みや決意をアピール

 広島・長崎に原爆が投下されて79年目を迎える8月、広島市で4日から6日までの3日間で「原水爆禁止2024年世界大会」広島集会が開催されました。
 4日と6日は中区のグリーンアリーナを会場に総会が開かれ、5日は市内各地で分科会が行われ、また山口県岩国基地や広島県呉基地を調査する「動く分科会」も行われました。主催は、原水爆禁止世界大会実行委員会。
 3日間にわたり国際機関や国際団体の代表や国内の市民が多数集まり交流・学習をしました。主催者発表で6日の閉会総会には会場3750人、オンライン1250人、合わせて5000人が参加しました。
 総会では各国の政府代表、国際機関からの多彩なスピーチがありました。
 中満泉さん(国連事務次長)は「軍拡競争は世界情勢の安定ではなく、不安定さを生み出す。核実験は人類にとって負の遺産しかない。軍縮・不拡散こそが真の安全保障だ。そして被爆者の方々の存在は、核軍縮を支持する最大の理由であり続けている」と述べました。
 アレクサンダー・クメントさん(オーストリア大使)、クルマンセント・バトルハンさん(駐日カザフスタン大使)が演説した他、各国からのメッセージを代読。国内からは広島、長崎の両市長をはじめ、523自治体の首長からメッセージが寄せられました。
 市民社会の海外代表をはじめ、アメリカ、スペイン、韓国、ベトナムの市民からもスピーチがありました。国内の草の根の運動からは、沖縄、福島、愛知、東京などからの取り組み紹介と決意が表明されました。
 政党からは、日本共産党とれいわ新選組が連帯あいさつし、立憲民主党、共産党の衆・参の国会議員がメッセージを寄せました。
 「被爆者とともに『核兵器のない平和で公正な世界』へと道を切り開いていくことを誓い合おう」という「国際会議宣言」や「広島からのよびかけ」が採択されました。

 

被爆者、海外の青年と交流
分科会「青年のひろば」

海外の青年との交流の様子

 8月5日の分科会「青年のひろば」では、若い世代の参加者が、被爆者や海外の青年と交流しました。
 85歳を迎える被爆者の小笠原伸江さんの被爆体験を聞いた青年たちからは、「戦時中の食料事情はどのようなものでしたか」、「戦中と戦後での教育の変化は?」、「核兵器はなくすべきだが、原発は仕方がないと言う人もいる。原発についてどう思いますか」などの質問が出され、小笠原さんは一つ一つていねいに回答。「政治に目を向けて、本質を見極める若者に希望を託します」と話しました。
 続いてアメリカの高校生やフィリピンの市民団体で活動する青年らと交流。海外の青年から「若い世代の活動が、持続可能で平和な社会を築く鍵になる」、「知識を得ること、真実を見つめること、そして行動することが重要」と表明されました。日本の青年からの「考えの違う人との対話が難しい」という表明に対し、アメリカの大学を卒業したばかりの青年が「暮らしを良くしたい、などの共通の利益を見いだして対話することが大事だと思う」とアドバイス。参加者は「私たちは世代を超えてつながっていく必要がある」などを確認し合って分科会を終えました。