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「あきたこまちR」を学ぶ会開く(2024年08月26日 第1614号)

秋田県立大学名誉教授 谷口 吉光さんを講師に

「こまち」から「R」への切り替えに県民から不安や反対の声次つぎ

「こまちR」の何が問題なのか わかりやすく解明 みな納得

秋田県農民連

 秋田県農民連は、秋田県立大学名誉教授の谷口吉光さんを講師に迎え、秋田市役所内にある中央市民サービスセンターで、「あきたこまちR(アール)」を学ぶ会を7月27日に開催し、50人が参加しました。

 

農民の選ぶ権利 保障せよと要求

講演する谷口名誉教授

 講師の谷口さんは、秋田県が現在栽培されているあきたこまちを「あきたこまちR」に2025年産から全面的に切り替える予定であることに対して、「あきたこまちR」の問題点と消費者の権利、生産者のリスクという観点からわかりやすく講演されました。
 昨年8月に募集した秋田県議会の「こまちR」を含む11項目のパブリックコメントでは、過去最高の6千件を超える意見が寄せられましたが、「こまちR」について5895件の意見が出され、関心の高さがうかがえたこと、その多くは放射線で突然変異した米の「安全性」「従来からのこまちを守り、食べさせて」「選ぶ権利を守れ」などの反対意見が約8割だったことを述べました。
 切り替え発表後の県内の動きと問題点(こまちRの安全性、同等性、表示、必要性、有機JAS認証、全面切り替え、消費者の権利、生産者のリスク)について話し、そのうえで、県は「R」への全面切り替え計画を一旦中止し、消費者、生産者の前で議論を重ねるべきであり、種子を選ぶ権利を保障すべきだと話しました。

 

会員と新聞読者 それぞれ増える

 参加した学生からは、「学内では話題になっていなかったが現場の声を聞けてよかった」「問題の背景などもうかがえ、参考になり今後に生かしたい」などの感想が寄せられました。
 他の参加者からは、「なぜ? という気持ちはそのままだが県はきちんと県民に向けて説明すべき。私たちにも選ぶ権利があります。なにも生産者や消費者に理解されていないし、環境問題を米輸出にすり替えているように思える。自分の食べ物を自己決定できなくなるのはおかしい」「あきたこまちだけでなく、他の品種も『R化』の動きがあると知り、米だけでなく、どんな農作物も勝手にいじくりまわすことが始まるのではと危惧します」などの感想もありました。

 

従来からの種子守っていきたい

 今回の学習会では、参加者の一人が農民連に加入し、もう一人は、新聞「農民」の購読を申し込みました。さまざまな活動の中で仲間を増やし、要求実現に向かって運動をしていく大事さを実感した学習会となりました。
 県農民連の小林秀彦委員長は、「あきたこまちRの勉強会をもっと開催し、事の重大性を生産者や消費者に理解してもらい、全面切り替えでなく、種子の選択ができるようにし、従来からの種子である、あきたこまちを守っていきたい」と話しています。
 (秋田県農民連事務局長 鈴木一)