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埼玉・加須市酒米生産者協議会 長野・松川村を酒米研修で訪問

営農センターと一体で管理から収穫までも

行政とJAのバックアップ整っていてすばらしい

加須市と松川村の生産者で記念撮影

 7月17、18の両日、埼玉県の加須市酒米生産者協議会16人は、長野県松川村の酒米生産者と営農支援センターで交流し、ほ場を見学させていただきました。
 北アルプスの清らかな水、自然環境に恵まれた長野県内有数の生産地である松川村は、100ヘクタールの酒米生産を50~60人の生産者で、特別栽培、JAS有機米を生産。硬質米で固いお米が特徴で、収量は約10~12俵。肥料をあげなくても7~8俵はとれるそうです。

酒蔵ができればより一層活気が

北アルプスの恵まれた環境での米づくりを視察(松川村)

 埼玉は昨年、米の高温障害とカメムシ被害で大打撃を受けましたが、松川村では水が冷たく生育が遅いのが悩み。朝、水をあげて昼間の暑さでたくわえ、また夕方水を入れて休ませてあげると心白が柔らかくなるそうです。作期分散でわせの品種を作り効率化を図り、また、酒蔵がなかった松川村に現在建設中の酒蔵ができ、より一層活気あふれる松川村になると話していました。
 参加した生産者の青鹿政幸さんは「営農センターと一体となって管理から収穫まで長年取り組んでいることを知り、その努力に驚きと感銘を受けました。わが加須市も大いに参考にして取り組んでいきたいと思います。松川村の関係者に貴重な時間を割いていただいたことに感謝いたします」と感想を述べました。
 その他にも「加須の酒米生産者も増え、行政に意見が言えるようにしないといけない」「行政とJAのバックアップが整っていてとても素晴らしい」など感想があり、有意義な研修となりました。
 その後、湯田中温泉よろづやで宿泊。長寿の湯で日頃の農作業の疲れを癒し、善光寺などを観光して帰路につきました。

加須農林振興センター指導で現地検討会

 8月6日、加須市酒米生産者協議会は、加須農林振興センター指導で、現地検討会を行いました。

カメムシ防除に粒剤が効果も

色光反応で稲肥の確認(加須市)

 今後の稲の管理の説明と、ほ場では、稲の茎の色光反応で穂肥をするかどうかを調べて指導をしていただきました。昨年稲の被害があったカメムシは今年もひどく、7月になり100件近く相談があり、カメムシ防除は粒剤による薬剤が今は売り切れてしまうほどだそうです。
 液体はカメムシが付いている稲に散布することで効果がでて、粒剤の方は水に入ると溶けて広がるので効果があるそうです。
 研修・視察、検討会を終えて、同協議会の篠塚敏雄会長は、「酒米『加須の舞』のプラチナ賞受賞をめざし一人ひとりが酒米作りにがんばりましょう」と参加者に訴えました。同協議会と米づくりで交流のある平成国際大学女子硬式野球部の濱本光治監督は「長野県松川村の熱意を感じ、埼玉でもがんばってほしい」と発言しました。(埼玉東部センター 伊澤潔美)