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日本のお米食べたい 作りたい 新婦人と農民連の思い一つ(2024年09月16日 第1617号)

30年前の米パニックが本格的な始まりに

米問題の学習と声かけ入会と米産直会員ふやし

新日本婦人の会中央常任委員 中央本部産直運動チーム責任者
高橋 和枝さん

当時も米不足を消費者のせいに

キャラバン宣伝にかかしもかけつけました(1994年、島根)=新日本婦人の会提供

 「スーパーにお米がない!」―この8月から一気に米不足が顕在化。新日本婦人の会は「お米の陳列・販売状況チェック」や学習、地元選出国会議員要請、そして産直運動を知らせ入会と米産直利用会員ふやしを呼びかけ、各地で「新婦人しんぶん」読者や元会員、知人など次つぎ入会しています。
 ちょうど30年前の1994年、前年の冷夏・凶作による米パニックと、全国で高まったコメ輸入自由化反対運動、農民連との米産直の本格的な始まりを思い出します。
 当時も、政府やマスメディアは「米がないのは買いだめ」と消費者のせいにしました。新婦人は93年末に、「お米の店頭状況緊急調査」や農水省交渉、「コメ緊急輸入についての生産者、業者、消費者懇談会」を実施。
 加工用と合わせて200万トンの輸入で、94年2月には店頭に輸入米が並ぶなか、緊急アンケートで「セット米・ブレンド米を含めて国産米をまったく販売しない――52%」、「国産米10キログラム換算で1万円超」などの告発も。米不足と価格高騰に加え、「タイ米にカビや石が混ざっていた」など輸入米の安全性への不安も知らせました。新婦人の緊急銀座デモ「米よこせ、そのうえ減反なんて許さない」は世界140カ国に配信されました。

「日本の米守る5カ条」を発表

 どの世論調査でも、女性・国民は「米は国内で自給すべき」「国産米を食べたい」など国産米を希望していることがはっきりしました。
 政府・与党がコメを含む農産物の全面的輸入自由化をすすめるWTO(世界貿易機関)協定の批准をねらうもと、新婦人は農民連や食健連と批准阻止へ行動。「日本の米を守る 新婦人五ヵ条」を発表し、ポスターにしました。ビデオ「やっぱり食べたい日本のお米」も制作、班や支部で学習しながら、農協や自治体との懇談や共同行動など運動を広げました。
 米産直は、「安全な日本のお米を食べたい」との消費者の要求と、「思いっきり米を作りたい」という生産者の要求が一つになった結果です。

「私の田んぼ」づくりが各地に

 農民連の米づくり運動と連帯して新婦人の「私の田んぼ」づくりが全国各地で準備されました。「1回の凶作でなぜお米がないの?」「コメの輸入自由化をすすめながら、なぜ減反?」など、班から学習会と米説明会が広がりました。ある県では、100回以上の学習会を開き、300人近い会員を迎えています。東京のある班では、「新婦人に入って日本の米、農業を守ろう」と訴え、「一人では守れない」と米産直で18人が入会しました。
 産直運動が米にも一気に広がり、今日の「4つの共同目標」を掲げる新婦人と農民連の産直運動の基礎になったと確信します。