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全国食健連 第35回総会(2024年09月23日 第1618号)

自給率向上求め、地域で運動広げよう

開会あいさつをする全労連の石川副議長(右端)

 国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会(全国食健連)が9月7日、第35回総会を開催しました。
 全労連の石川敏明副議長が開会あいさつ。「米不足の最大の原因は市場丸なげの政策。米農家の廃業・倒産が過去最多となっている。もう自民党にこの国は任せられない」と話し、日本の食料を守る運動に奮闘することを呼びかけました。
 全国食健連の岡崎衆史事務局次長(農民連)が23年度の活動報告と24年度の活動方針などの議案を提案。新自由主義の推進が食料自給率の低下を招き、その危険性を鮮明にしていると指摘しました。
 23年度のグリーンウエーブ(食料の波)行動では、食料自給率の向上や学校給食無償化の取り組みなど、4項目を軸に署名・宣伝行動や自治体・農協訪問を行い、賛同書を集めました。賛同書は27地方自治体、58農協、253組織の338団体分を集め農水省に提出。請願署名は2万7350人分を国会に提出したことを報告しました。

自給率署名10万人超シンポ開催

 また食料自給率向上と農業基本法改定阻止に向けたたたかいでは、オンライン学習会や改定案反対声明の記者会見を実施。農民連と一緒に取り組んだ「食料自給率向上を法的義務とすることを求める請願署名」はオンライン署名と合わせて10万6千人分あまりが集まりました。5月29日には主婦連合会や生協6団体と合同でシンポジウムを開催。今後も自給率向上を求める運動を共同で進めていくことも紹介されました。
 24年度の方針では食料自給率の向上、「所得補償」や「価格保障」の具体的要求、国内増産に向けた支援、子どもの生存権を守る「学校給食の無償化」の課題に取り組むことを提起。地域食健連の活動へも支援を強めることを提案しました。

米パニックや地域計画で討論

 討論では米パニックが大きな話題になりました。「大阪では店頭に全く米がない。農協にもお米がない。値段も倍近く値上がりしてみんなパニックになっている」「岩手などでもスーパーでなくなっていると報道されている。大都市だけではない」「兵庫では5~6月くらいから米の買い取り業者が来ていた。現在では直売所も1人1袋と限定していて長蛇の列ができている」と各地から実態が報告されました。
 富山県からは地域計画作成の中で、認定農業者や法人などの担い手以外の農家が農政から切り捨てられる危険性や復興の遅れている能登半島への危機感が語られました。

漁民との交流や収穫祭の復活も

 千葉県からは、漁民のみなさんとの交流会の計画が語られ、愛知県では給食無償化の署名の取り組みが計画され、地域の生産の活発化を進めるため「菜の花プロジェクト」が続けられ、収穫祭の復活も検討していることが報告されました。

都市化の中、消費者と連携して

 神奈川県からは「都市化が進んでいる中で、消費者と連携して運動する必要があり、農民連の会員を訪問して交流会を計画している。何とか運動を盛り上げたい」と決意が語られました。
 埼玉県からは、県西部での新しい地域食健連の結成計画が紹介されました。静岡県では「全県で給食無償化や地場産給食の実施などを求める運動が始まっており、休眠状態の県食健連も連携して再開を目指したい」と決意が語られました。
 最後に新役員と議案を全会一致で採択し、総会を終了しました。
 新役員は次の通りです。代表幹事 全労連・秋山正臣議長(新)、全農協労連・信川幸之助中央執行委員長(新)、農民連・長谷川敏郎会長(現)、新日本婦人の会・米山淳子会長(現)
 事務局長 全労連・土井直樹常任幹事(新)