アイコン 新聞「農民」

米・畜産危機打開の要望書を集めて(2024年09月30日 第1619号)

支部で協力し地元の人も一緒に

 いま農民連は全国各地で、「米価を下支えし、需給に責任を持つ政策を求める要望書」と「酪農・畜産危機打開を求める要望書」の2つの署名を集めています。茨城県西農民センター事務局員の久米孝典(たかのり)さんは精力的に農家を回り、対話しながら要望書を集めています。久米さんに手記を寄せてもらいました。

協力者紹介で 切実な声次々と

茨城県西農民センター 事務局 久米 孝典さん

 8月20日から会員の農家さん宅に連絡をして、時間があえばお邪魔して、要望書を書いていただきながら、また近くの農家のお知り合いを紹介してもらい、要望書を集め始めました。
 今回は、いつも協力していただいている、八千代会員の酪農家さんを訪問しました。
 「このままでは日本から酪農・畜産の灯が消えてしまう」の要望書を前年にもご協力いただいた方です。「昔はこの辺だけで12軒あった酪農家も、今では5軒になってしまった」などの話も聞けました。要望として、「牛にも餌の好みがあるので、餌の長期的な安定供給をお願いします」とおっしゃっていました。
 先日は、今年から始めた「このままでは米を作り続けられません」の要望書を片手に、お米を作っている会員の農家さん宅を訪問しました。
 「肥料高騰や燃料高騰、さらに機材まで補助がなくなった」という米農家さんもいました。「新規就農する人の中でも米農家という選択をする人はいない、最低限の機械をそろえるだけでも相当な額になってしまう」「今年は、2万円近くに戻りましたが、来年からどうなるか不安です」「今年は、値段が上がったけどまだ低い」「米価が安定しない」「生産費を上回る価格保障がないと、米を作る農家は皆やめてしまう」「米を作らせてください」など、たくさんの声をいただきました。
 要望書に一言をお願いしても、「言いたいことはたくさんあるのに、なかなか考えがまとまらない」とおっしゃっていた方もいました。

笑顔で聞き手に 過去の要望携え

農家と対話する久米さん(左)

 元市議会議員の方からは、「お米の値段を上げて消費者に負担を強いるのではなく、政府として最低保証を設定して価格を安定させないとお米が消費者に行きわたらない」という意見も聞きました。
 1人で訪問するのは、かなり勇気がいります。支部単位で協力し、地元の人を交え2人で回るといいと思います。訪問するにあたり注意することは、常に笑顔で聞き手に回ること。要望書と参考に過去の要望一覧を持って回ることをお勧めします。紹介していただいた農家さんには、もれなく新聞「農民」も一緒にお渡しするといいと思います。