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産直センターふくしまの選果場 小規模でも地域で果たす役割は大 情報交換、助け合いの場に(2024年10月07日 第1620号)

桃の選果に集中する橋本光子さん

 福島県中通りの福島市北部地域は、国内有数の果樹生産地です。
 東北自動車道の福島飯坂インターチェンジ近くの脇道を入り、まもなく果樹に覆われた細い舗装道を進んでいくと、果樹の木々の下の赤いスプレイヤーが次々と目に飛び込んできました。
 案内された農家の玄関をくぐるとその敷地に産直センターふくしまの「共同作業所」がありました。

選果場

 福島市飯坂町平野の組合員、橋本励一(れいいち)さんの倉庫を増築し、小型の重量式選果機・自動梱包機を導入して、収穫最盛期の7月中頃から9月末頃まで8~10人のチーム体制で稼働させています。
 お盆は桃の収穫の最盛期なので休みはありません。「開設して3年目。2人の組合員が増え、集荷量は3割増えた」とセンター事務局長の服部崇さん。「次は2玉入りなどのパック詰めもやりたい」と意欲をみせます。農家が生産を続けていくためにはどうすればよいかを常に考えています。稼働中は市内にあるセンターの事務所機能を選果場脇に建てた仮設事務所に移しています。

選果場脇の仮設事務所で作業

 選果場は生産者が集まる交流の拠点となり、生育情報の交換など組織の結束力が強まります。出荷規格の統一化、荷作り作業の効率化で農家は収穫に専念できる点で、小規模ですが地域で果たす役割はとても大きいです。
 まさに助け合いであり結の場です。
 近隣から通っているメンバーは「10玉箱足りないよ~」と和気あいあいと働いています。
 農家組織としての選果場、集出荷施設をもつことは、たとえ小規模でも重要な役割を持つことをあらためて実感しました。
 (農民連ふるさとネットワーク事務局次長 渡辺満広)