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農民連青年部 5年ぶりに 夏の学習交流会ひらく

農業の未来明るいと思えた

交流会2日目を終えて皆で記念写真

 農民連青年部は9月28、29日に5年ぶりの開催となる「夏の学習交流会」を奈良県生駒市で開催しました。52人が参加し、日頃の思いや悩みを交流・議論しました。

 都道府県別の農業生産額が東京、大阪に次ぐ全国45位の奈良県。大阪のベッドタウンとして多くの消費者が暮らすこのエリアで、奈良県農民連は農業者の様々な要望に応え、就農支援も行いながら活動しています。
 農民連青年部は今回、奈良県連の神髄を学ぼうと、メインテーマを「声きく直売所が100年続く農村を育む」に決め、全国各地の共通の課題である“若い世代の就農者をどうやって増やし、定着していってもらうか”を議論の柱にすえました。また、奈良や周辺地域で「循環と持続可能な地域づくり」を実践する多彩なゲストを迎えて、講演・現地視察・交流も行いました。その詳細は3面の記事をご覧ください。

 学習交流会に参加した農家の声を紹介します。

農業1年目、 知識得たいと参加
茂木 勇希さん(25)
福島県郡山市

 関東で働いていましたが、いま郡山で農業を営む祖母と叔父を手伝いながら米とキュウリを作っています。
 農業に携わって1年になりますが、祖母から「こんな企画が奈良であるから行ってみたら」と言われて、農業の知識を広げたい、と思い今回参加しました。2日間でたくさんの方たちの話を聞かせてもらい、「自分もいろいろ試していきたい!」と意欲がわきました。複数の方たちが「イベントを企画して地域の農業を盛り上げている」という話をされていて、私も地域を盛り上げて、農業に携わる仲間を増やしていけるようにイベントもやってみたい!と思いました。
 農業は私にとって「合っている」と思います。自分の考えや判断で経過や結果が変わってくるので仕事を進めながら、未来のビジョンを考えることにやりがいを感じます。

移住し就農直後学び深めた
大塚 俊秀さん(50)
和歌山県紀の川市

 32歳のときに京都で就農しましたが、けがを負うなどで一度断念しました。「また農業をやりたい」と思う中、偶然ドライブで通った紀の川市で「ここで農業がしたい!」と一念発起。
 自治体や紀ノ川農協のお世話になりながら農地を確保し、つい先日、タマネギの種まきを終えました。
 今年の夏、お借りした耕作放棄地に緑肥としてすき込むためのヒマワリを育てました。「せっかくならこのヒマワリ畑に人を呼び、農業への関心を高めてもらおう」とイベントにしたところ、多くの家族連れなどが来てくれました。近くの桃農家さんからは「例年より園地の蛾(が)が減った」と感謝されました。この畑ではこの後、小麦を育てます。
 今回参加させてもらって、新規参入する私にとって「農業の未来は明るい」と思いました。生産者を大切にする直売所の存在、農福連携の在り方、気候変動に対する農業への学びを深められました。地域ごとの作り方があって、それを交流し合う農民連の集会。もっと皆さんのお話を聞きたかったです。

日本一おいしいトマトを作る!
辻 一仙さん(48)
大阪府四条畷市

 大森ロハスクリエイトという会社で周年でミニトマトの栽培をしています。会社としての農業は3年目を迎えます。奈良産直センターの直売所「みのりの里しらにわ・旬の里まみが丘」に出荷しています。
 他の農家の方たちと交流できる場というのは今回が初めてで、すごく勉強になりました。
 先輩農家の皆さんとのコミュニケーションを通じて、自社の「強み」を認識することができました。日々の業務における改善点も見つかり、今後の展望が一層明るいものになりました。
 お客様から「いつも買ってるよ」、「子どもがここのトマトだけは食べるんです」などうれしい声をかけていただけると、がんばっていることに意義があるんだ、と勇気づけられます。「みのりの里しらにわ」店長の杉村出さんには農家の立場と売る側の立場の両面からアドバイスやアイデアを頂けるので、いつも相談させてもらっています。
 仕事中に孤独を感じることはありますが、今回本当に良い機会になりました。日本一おいしいトマトを目指します!
 ぜひ皆さんに食べておいしいと言ってもらいたいです!