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能登半島豪雨 被災地支援リポート 被害に絶対負けない

想像絶する被災の実態 被災会員支援に全力 富山県農民連副会長 水越 久男さん

 9月21日の線状降水帯によって、石川県能登地方で土砂災害、河川の増水による住宅の浸水など大きな被害が発生しています。富山県連の水越久男副会長は、26日に砺波市の自宅から片道3時間かけて輪島市へ衣類の支援物資を運び、避難所に身を寄せている農民連会員の山崎信寿さん(77)=輪島市=からも話を聞きました。

池の水があふれ流木が自宅に

 輪島診療所から西へ車で10分ほど行ったところに山本町があります。山崎さんは「9月21日の朝8時頃から雨が降り始め1時間後には大雨になり、自宅の上流にあったため池の水が豪雨であふれ、豪流となり、流木が自宅のガラスを割って中に水が入り、身動きできなくなりました。この日は2階で朝まで過ごし、翌日に公民館に避難しました。近くの田んぼは土砂や木で埋まりとても収穫できるような状況ではありません」と語りました。

手で稲刈り入れ乾燥最中に被害

田んぼが水没している様子(輪島市山本町、9月26日、水越さん撮影)

 山崎さんの田んぼは少し離れた小池町にあり、20アールほど作られているようですが、1月の震災によって、7月まで停電だったため電気で水をくみ上げる田んぼは作付けがかないませんでした。
 また地震で、ひび割れた田んぼは水が入らず、今年は200坪ほどしか米の作付けはできませんでした。今回の豪雨により、田んぼに向かう林道は車が入れず、往復5時間かけてほ場に通いました。手で稲を刈り、はざで干して乾かして戻ってきました。山崎さんは「自宅の周辺に残っている流木の撤去が早く終わってほしい」と話します。

仮設も床上浸水避難した人多数

輪島診療所に支援物資届けました(9月26日)

 何度も炊き出しで支援に入っている輪島診療所の上浜幸子事務長から、衣類が欲しいという要望があり、男女の肌着、上着、ズボンなど20人分ほどを段ボール箱に入れて届け大変喜ばれました。
 近くの仮設住宅も床上浸水で住めず、また避難されている方も多くいらっしゃいます。健康友の会のボランティア・スタッフは、今回の豪雨被害の方が、震災よりもショックが大きいようでした。
 震災の時は、ボランティアが入っても、なかなかできることがなかったけれど、今回の豪雨は、土砂や水が入ってぐちゃぐちゃになっているので、ボランティアが必要だと訴えていました。