農民連食品分析センター 機能強化のための緊急募金にご協力を 目標は来年3月までに1千万円
農薬検査の主力機器を更新します
PFAS検査の拡大も視野に
農民連食品分析センター(以下、分析センター)はこの度、2025年3月を目標に、1千万円の緊急の機能強化募金を呼びかけることになりました。
農産物の農薬検査の主力機器として20年近くにわたって稼働してきたガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS)が、経年劣化により必要な検出感度が出なくなり、緊急の更新が必要になりました。
呼びかけに当たり、分析センターの八田純人所長に話を聞きました。
農基法の改定で輸入増大の懸念
更新予定のGC/MS分析機
分析センターは市民の募金でできた検査機関として、生産者と消費者の立場から日本の食と農を守ろうと、1996年から検査活動を進めてきました。
2000年には、輸入された中国産の冷凍ホウレンソウから生鮮食品の基準値を大幅に超過する濃度の農薬を検出。この発表は日本の食品安全行政の姿勢を大きく転換する契機となりました。
農薬検査能力の向上が求められるなか、06年には2千万円の募金を呼びかけ、現行のGC/MSを導入。農薬の多成分一斉分析の体制を確立し、有機リン系農薬検査を中心に、検査業務の屋台骨として休むことなく稼働してきました。
丁寧にメンテナンスを行いながら18年間にわたって大切に使用してきましたが、最近になっていよいよ検出感度が低下し始め、微量な成分の精密な検査が求められる現状では、一部検査の受け入れを中断せざるを得ませんでした。
このままでは分析センターの役割を果たすことができず、まさに存続の危機です。市民の募金で稼働する唯一の分析施設の維持・存続と機能強化のためには、GC/MSの更新は必須であり、カンパを呼びかけることを決めました。
食料・農業・農村基本法の改定は、日本の食料自給率向上を投げ捨て輸入に頼り、輸入国の多様化をめざしていることから、日本国内では規制されている農薬を使用した農産物の輸入増大が懸念されます。今後、多種多様な農薬を検出できるGC/MSの必要性はますます高まることが予想されます。
さらに、今年から分析センターでも検査を開始したPFAS(毒性が指摘されている一連の有機フッ素化合物の総称)も今後、監視対象物質が増える見通しであり、新しいGC/MSが導入できれば、これらのPFAS分析の拡充も可能になります。
食と農のとりで守るため協力を
今後も分析センターが市民と生産者を守るための砦(とりで)として役割を発揮し続けるために、今回の機器更新はどうしても必要です。全国の会員・新聞「農民」読者のみなさん。どうか今回のカンパを多くの人に呼びかけていただき、目標の1千万円を達成できますよう、ご協力を心からお願いいたします。
PFAS検査の要求に応える分析センター
国連機関のIARC(国際がん研究機関)が有害物質として指定したPFOS(ピーフォス)やPFOA(ピーフォア)の検出が各地で話題となっています。
分析センターでは、独自に河川などの調査に取り組むほか、市民団体や地方議員などの調査依頼にも応えてきました。
基地や産業廃棄物の処理場周辺にある河川では、水道水の暫定指針値を超える地点があることも明らかにしています。
食品分析センター機能強化
1000万円緊急募金の振込先
▼ゆうちょ口座からご入金
記号・番号 00160-6-773542
加入者名(カナ) ノウミンウンドウゼンコクレンゴウカイブンセキセンター
▼ゆうちょ銀行以外からご入金の場合
銀行名 ゆうちょ銀行(金融機関コード9900)
口座種別 当座
店名 〇一九
口座番号 0773542
加入者名 農民運動全国連合会食品分析センター
加入者名(カナ) ノウミンウンドウゼンコクレンゴウカイブンセキセンター