旬の味(2024年11月25日 第1627号)
「今日の子牛の値段は1000円でした」。10月末、農協の担当者から市場に出した子牛の取引価格の連絡に落胆した瞬間でした。わが家で生まれ、1カ月飼育したF1(ホルスタインと黒毛和牛のハーフ)のメス▼夏の影響で小さく産まれてしまい、市場に出荷したものの、日数に比べ体重が軽いと1000円の値しか付きませんでした。市場に出荷するだけで運賃を含め5000円ほど。更に種付けにも1~2万円はかかるため、この安値では大赤字です▼翌週も同様に子牛を出荷しましたが、こちらは7000円。変わらずの赤字です。今年の子牛の市場価格は春には比較的いい値段で取引されていたものの、夏から秋にかけてまた一気に下落した形です▼酪農危機が始まって2年経過したものの、いまだ乱高下する不安定な情勢が続いています。昨年乳価は上がったものの、依然資材費の高止まりが続いており、子牛に関わる赤字を補てんするのは厳しい状況です。抜本的な保障なしに日本の酪農を守るのは不可能です。(K)