災害対策全国交流会ひらく 人権が第一の 「人間の復興」を 運動で復興に住民の意見反映させよう(2024年12月02日 第1628号)

災害被災者救援と災害対策を考える全国連絡会(全国災対連)など実行委員会が「災害対策全国交流集会2024」を11月10日、オンライン併用で開催し、90人以上が参加しました(写真)。
主催者あいさつで住江憲勇代表世話人は「災害が激甚化、常態化している。しかし国は対策もせず静観というまさに新自由主義の姿勢そのものだ。展望の持てる支援策を示すどころか、いまだに補正予算すら作られない。自治体任せの無責任は許されない」と述べ、これまでの災害の経験に学び運動を進めることを呼びかけました。
京都橘大学経済学部の岡田知弘教授が「『創造的復興』と『人間の復興』の新たなる対抗軸」と題して講演しました。
創造的復興のような参事便乗型開発の復興と「人間の復興」の対立は1923年の関東大震災までさかのぼります。
95年に発生した阪神・淡路大震災の被災住民の運動から全国災対連の結成につながり、被災者生活再建支援制度の制定を実現したこと、11年の東日本大震災でも、自治体の裁量を大きくした岩手県や福島県では自治体と被災事業者・住民の自主的な取り組みが広がったことなど、震災のたびに開発優先の国と住民のたたかいがあったことが紹介されました。
能登地震では国・県の初動判断の甘さや、劣悪な1次避難所の環境、北陸復興割による避難者追い出しなど国・県の姿勢が被害に拍車をかけています。豪雨被害で被災者は再びの避難を余儀なくされている現状の中、中央省庁からの派遣者が県幹部の多数を占め、県の方針が国の施策の羅列となっていることを批判し、「各市町村の復興計画・ビジョンで地元の意見をどれだけ反映させられるか。県災対連や自治体問題研究所、被災者などの運動が重要だ」と話しました。
石川農民連の宮岸美則会長もビデオメッセージで発言。「被災農地の復旧には長い時間と労力がかかる。住民への重機免許の取得支援と復旧事業での雇用など、住民の生活を守りながら復旧を進める施策が必要だ」と訴えました。
全国災対連の香月直之事務局長代理は閉会あいさつで、「被災地と災対連の連帯をさらに強め、被災者に我慢を強いるのではなく、生活と権利が守られる社会に変えていこう」と話し、引き続き全国災対連の運動を強化していくことを確認しました。