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BRAぶらしんのみ祭り~5年ぶり開催~ 千葉・多古町旬の味産直センター 1200人が郷土料理を堪能

私たちの食べ物をこの人たちが作っているんだ 実感できた!
収穫を喜び、郷土食を味わう“村祭り”
若手生産者(ニュー・ファーマーズ)が大活躍

料理の提供には若手生産者も大活躍

 千葉県の多古町旬の味産直センターは11月16日、5年ぶりとなる「BRA(ブラ)ぶらしんのみ祭り」を開催し、1200人が参加しました。2001年に産直センターとして、スローフード協会があるイタリア北部の町、ブラの祭りに参加したことから始まりました。「しんのみ」とは、みそ汁に入れる野菜「汁の実」がなまって変化したものです。

農家ががんばり地域の活性化を

開会式では再開を喜ぶ声が相次ぎました

 参加者は最初に手作り米こうじで作った甘酒のウェルカムドリンクを竹筒に入れて、それを参加証代わりに会場へ。祭り本部会場となった広場では、開会式が行われ、産直センターの高橋清会長が「コロナ禍で再開が困難かと思われましたが、みなさんの再開を願う熱意で開催できました。たくさん食べて飲んで楽しんでください」と開会あいさつ。
 主催者あいさつをした産直センターの鎌形芳文代表理事が「地域のみなさんと参加者の協力があってこそ、5年ぶりに開催されました。収穫を喜び、郷土料理を味わう農村本来の祭りです。たくさん交流して、多古町を好きになって帰ってほしい」と再開を喜びました。
 新日本婦人の会神奈川県本部の杉山佳寿子副会長もマイクを握り、「生産者と交流し、安全・安心なものを食べることが決して当たり前のことではないと実感したのが秋の米騒動です。気候変動・自然災害で来年の作付けもできないところがあると聞いています。国は国民の食料に責任を持つべきです。食料・農業を守るためにも仲間づくりをしながら産直運動に取り組み、農政を変える運動を広げます」と決意を語りました。

恒例の鏡割り。右が高橋会長、左が鎌形代表

 開会式後、鏡割りと神社での七五三のお祝いも行われました。参加者は各農家を回って、野菜の天ぷらやきのこ汁、おでんや雑煮など地元産産物の料理を堪能し、交流しました。
 産直センターの若手生産者でつくる「New Farmers(ニュー・ファーマーズ)」も大活躍。
 ゆで野菜や里芋、ミニトマトのはちみつ漬けを提供しました。旭市で米、レタス、キュウリなどを生産している副部長の小林篤史さん(39)は「対面だといろんな交流ができていいですね。若い人が農業をがんばることで地域活性化に役立てることが一番です」と笑顔でした。

農業支えるため仲間づくり推進

きのこ汁も好評でした

 貸し切りバスで参加した新婦人の横浜・金沢支部。事務局長の長嶋美波さん(47)は「今回、おいっ子も連れて参加しましたが、普段は体験できない木工細工や虫取りに夢中でした。オンラインでの交流とは違って、現地に足を運び、農家と出会うことで、この方たちが私たちの食べているものをつくっているんだと実感できたのがよかったです。若い生産者ががんばっているのも印象的でした。私たちが産直運動に参加する仲間を増やすことが生産者と農業を守ることだと思いました」と感想を語りました。
 祭りの最後は、小学生による民舞と餅投げで幕を閉じました。鎌形代表理事は「地域の人の理解も得て3月から準備をしてきました。5年ぶりの開催で初めての生産者もいますが、いい交流の場になったと思います」と達成感をにじませていました。