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JA香川県のブロッコリー支援事業に支えられて 作付農家増え、産地も維持・拡大(2024年12月23日 第1631号)

品質の統一、高い販売単価いち早く氷詰めで出荷
香川・観音寺農民組合 行天 忠明

支援事業の現場

 香川県観音寺市内でのレタス、ブロッコリーの生産状況を報告します。JA香川県が進めるブロッコリー支援事業は、高齢者や女性、土日農業者、新規就農者などの多様な担い手により、ブロッコリーの品質がブレないような仕組みをつくり、作付農家数を増やすことで産地を維持・拡大してきました。また、他産地に先立ち、いち早く氷詰め出荷を導入し、棚持ちの良いブロッコリーを出荷してきました。

 JA香川県西讃(せいさん)営農センター観音寺集荷場には約200人のブロッコリー生産者が毎日、午前11時までにブロッコリーを出荷しています。この地域は最近までは結球レタスが主要作物で約300人の生産者がいました。

 しかし、最近のレタスの低価格と外国産や生産現場の高齢化等で生産量が急激に落ち込みました。農家は、レタスから手間のかからないブロッコリーへと作付けの転換を図りました。
 JA集荷場は、増え続けるブロッコリー生産に対応するために17年ほど前にブロッコリー専用の製氷室を備えた倉庫を建設しました。

ブロッコリーの畑

 同時に農家が収穫したブロッコリーをそのままJAの集荷場に持ち込む支援事業を発足させました。ブロッコリーの生産者全員がこの支援事業に出荷しています。
 支援事業の導入により、品質が統一されたことで販売単価が高くなり、生産現場の高齢化に対しても出荷の手間がかからなくなりました。
 今後の課題として、(1)現在より出荷量を減らさないこと、(2)温暖化に対応する技術の研究、(3)後継者をつくること――などがあげられます。