アイコン 新聞「農民」

旬の味(2025年01月13日 第1633号)

 昨年は元日午後4時10分に能登半島地震という大きな災害から始まり、復旧・復興もままならない間に、9月21日から23日にかけて豪雨に見舞われ、能登半島では多くの犠牲者と被災者が出ました▼農家である私はもちろん、私たちは自然の恩恵を受けて、日々暮らし、感謝することばかりです。しかし、時として一瞬にしてすべてを奪っていく自然の脅威にさらされ、人間の弱さを思い知らされます▼それでも、時は変わることなく進み、寒く厳しい冬を乗り越え、暖かい春を迎え、人もまた立ち止まることなく心を奮い立たせ、前に歩いて行かなければなりません。能登の方々の奮闘する姿を何度も見て、心を打たれました▼お互いがお互いを支え合い、人は一人では生きていけないという生き方の原点となる共生・共存という考え方を改めて深く感じることができました▼私の農業という生活スタイルは、生命あるものすべてが認め合い、支え合い、大切にしていくという共生・共存の世界だと実感する1年でした。(聡)