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農民連第26回定期大会 長谷川会長の開会あいさつ(要旨)(2025年01月27日 第1635号)

35年の運動に確信をもち農業再生の運動広げよう

 農民連第26回定期大会で長谷川敏郎会長が行った開会あいさつの要旨を紹介します。

 

 激動する情勢のもと、農業・食料、農山村を守る運動、そして、安全で安心な農畜産物のものづくりのご奮闘に心から敬意を表します。
 今年は終戦と被爆80年の年です。日本被団協がノーベル平和賞を受賞し、唯一の戦争被爆国の原爆被害者を先頭にした核戦争阻止、核兵器廃絶を求める運動が注目され、新聞「農民」でも箕牧智之代表委員との新春対談を特集しました。正義と道理ある運動は必ず人々の心をとらえ、社会を突き動かすことを確信に頑張りましょう。
 いま、世界では戦火がやまず、イスラエルによるガザのジェノサイドで罪のない子どもたち、女性、老人が犠牲になり、絶望的な飢餓の中で苦しんでいます。ガザの事態はよそ事ではありません。市民・消費者は、日本が「食料の兵器化」に脅かされている現実に気づき始めています。
 円安やウクライナ戦争、コロナ禍による輸入農産物と食料価格の異常な高騰に苦しめられ、去年の「令和の米騒動」では、「米だけは国内自給100%だからいつでもあるはず」という常識がいとも簡単に崩れ、自民党農政の無策を「自らの胃袋」で「自分事」として体験させられました。

 

政治と農政を変え展望と希望を示す

 いよいよ、2025年は政治と農政の流れを変える年です。戦争する国へ膨大な軍事費ねん出のため農業も社会保障も教育も予算をバッサリ削る政治をやめさせる国民的たたかいに合流して奮闘しましょう。
 いま、日本の食と農は、大きな歴史的曲がり角に立っています。自民党農政は、20年後に基幹的農業従事者は30万人程度に激減するとしています。すでに米農家は20年前の175万戸が58万戸へ3分の1に激減。酪農・畜産危機で酪農家は1万戸を割りました。国内で養豚農家はたった3130戸、養鶏農家は1640戸です。ブロイラー育成は2050戸です。
 いまこそ、私たち農民連の35年の運動が切り開いてきた道こそ、日本農業再生の展望と希望を示していることに確信を持ち運動を広げる時です。

 

最大の魅力は助け合いと団結

 最後に、農民連はたたかう組織であり、変革者の集まりです。同時に仲間を助け合い、農民の団結をめざす組織です。まわりの農家が「おれ一代限りだ」、「もう何年できるか」と首(こうべ)を垂れ、次々と離農していくとき、「おれんとこもそうだなぁ」と成り行きに任せ、自らの経営と地域農業の将来をどうするのかを語ることをタブー視していませんか。
 「困っているんだ」「助けてくれ」と言い合える農民連であっていいのです。いま、農家はバラバラにされ、一人か家族だけで黙々と農作業に励むなかで、農村にその悩みや政治への怒りを言い合える組織は農民連以外にありません。ここにこそ、農民連の最大の魅力があります。
 従来の枠の人だけを対象にする活動にとどまれば、変化は起きません。これを打ち破り、農民連自身が変わることなしに日本農業の再生の道は切り開けません。
 今大会が、そうした全国の新しい芽生えを学びあい、経験を交流する大会として歴史に残るものになるよう頑張ろうではありませんか。