農民連第26回定期大会での来賓のあいさつ(要旨)(2025年02月03日 第1636号)
農民と労働者が主人公
全国労働組合総連合(全労連)
黒澤 幸一 事務局長

この正月は北海道に帰省していましたが、安売りと書いてキャベツ1個798円でした。物価は高騰し、小中一貫校導入による学校統廃合が進められるなど、いよいよ地域に子どもたちが住めなくなろうとしています。
物価高騰や少子高齢化のなか、日本の実質賃金は30年余りずっと下がり続けています。労働時間はドイツの1・5倍であるのに賃金は低く、世界に見られない特徴で、女性や非正規労働者などに低賃金が押し付けられ、地方の衰退に拍車をかけています。
労働基準法の解体も狙われています。春闘が始まりました。働く者を守る規制を作らせ、公共の再生を実現し、労働者や農民のみなさんが主人公となれる社会を作っていくためにみなさんと一緒にたたかっていきたい。
ジェンダー平等実現を
日本婦人団体連合会(婦団連)
小畑 雅子 会長

令和の米騒動や酪農・畜産危機など食と農の危機が深刻化しています。
今こそ生産者が安心して生産を続けられる自給率向上を目指す政策が求められています。
農民連のみなさんとともに食と農の危機打開の取り組みを強めたいと思います。
国連女性差別撤廃委員会の日本政府報告の審議で、農民連から代表団に参加した久保幸子さんが、農村女性の地位向上アンケートに基づいた農村女性の実態を、委員に訴えました。
それが実り、所得税法56条の廃止などが勧告されました。
持続可能な食と農の実現のためにも農村のジェンダー平等の実現は欠かせないと考えています。ご一緒に取り組みましょう。
歴史的岐路に向かう2025年をみなさんとともにたたかう決意を述べてあいさつとします。
米騒動は政府の失政だ
日本米穀商連合会(日米連)
相川 英一 専務理事

米騒動の一番の原因は農政の失政だと思います。
しかもこれを検証もしない。これではまた同じことがいつ起こるかわかりません。今週お米のスポット価格が4万円を超え異常な世界となっています。
国や自民党が止めるべきだが何もせず、まさに無策です。
日米連の組合員さんのアンケートでは「国が農家に収入保障をし、われわれの買取価格を下げなければ国民が米を食べられなくなり、私たちは打ちこわしにあうでしょう」「食料=安全保障です。防衛費の半分は農家の収入補てんに回すべきだと思います」というような声がありました。まさにこの通りだと思います。
国のやるべきことは食料を自給し国民を守ることだと思います。
これからも連帯して食と農の危機を打開すべく運動を展開していきたい。
運動で農政の大転換を
新日本婦人の会(新婦人)
米山 淳子 会長

通常国会は、衆議院で少数与党となった石破政権を運動の力で追い詰め、女性・農民・国民の要求を実現する絶好のチャンスです。私たちのがんばり時です。
昨年は食と農の危機に関心が集まり、共同を深めた年でした。オンライン学習や新婦人しんぶんを活用し各地で学習が進み、署名を推進する力になりました。米不足と米価高騰では緊急の米陳列状況チェックで深刻な実態が寄せられ、9月の緊急行動では「政府は主食の米に責任を持て」と声を響かせました。
悪政によってもたらされた産直運動の新たな課題を乗り越えていくうえでも、運動を進めながらお互いの組織を大きくし自民党農政を大転換させていきましょう。新婦人も農民連のみなさんと共同を広げる決意です。
食と農に責任もつべき
全国商工団体連合会(全商連)
太田 義郎 会長

私は名古屋で米屋を営んでいます。1月14日時点で卸から小売店への販売価格(60キログラムあたり)が、新潟コシヒカリで4万5千円、秋田あきたこまち4万3千円、山形つや姫4万4500円です。販売価格が10キログラムで1万円くらいになってしまう危機的な状況です。
これは、農政の大失敗の結果だと思います。減反を続け、備蓄米は年間需要のたった1割程度。農水省は日本の食と一次産業に責任を持つべきです。
私は300~400万トンの備蓄をすべきだと思っています。そこで売買をして需給を調整し、余ったら東南アジアやアフリカに食料支援をすればいい。それができるだけの予算が国にはあります。
世論を広げて、政治決断を迫る必要があります。地域をどうするか、一緒に議論していきましょう。
農を守り日本を守ろう
平和・民主・革新の日本をめざす全国の会(全国革新懇)
五十嵐 仁 代表世話人

政府は自給率の目標を投げ捨てて、食料の安定供給への責任を放棄し、令和の米騒動を引き起こしました。異常気象で野菜価格も高騰し、農家も消費者も困っています。
農地の集積で産業としての農業は守られても、地域社会としての農村が破壊されるのが、農政の根本的かつ重大な問題ではないでしょうか。
農業の多面的機能も評価され支払われるべきです。
米を生産し、水を貯え、美しい景観を生み、国土を保全する。多様な役割が評価される所得補償がなされるべきです。
農業を守ることは農村・地域の社会を守ることであり、日本の豊かな国土を守り、日本を守ることではありませんか。
今年は決戦の年です。自民党政治を追撃・撃破し、希望の農政に転換するためにみなさんと力を尽くす決意です。
農民連第26回定期大会で選出された新役員(敬称略)
〈会長〉長谷川敏郎
〈副会長〉沖津由子、小倉毅、笹渡義夫、根本敬
〈財政責任者〉鈴木弥弘
〈事務局長〉藤原麻子
〈事務局次長〉岡崎衆史、勝又真史(新)、満川暁代、来住誠太郎
〈常任委員〉宇田篤弘、岡田現三、岡野忠、齋藤敏之、佐々木健洋、鈴木亮、谷川聡子(新)、種石かおり、富沢修一(新)、八田純人、原田愛子、平間徹也、藤嶋嘉子、真嶋良孝、水越久男、森淳一、森島倫生、森本吉秀、森吉秀樹、安田政教、山﨑正子、湯川喜朗
〈会計監査〉上原正、越川洋一、関根耕太郎(新)
〈顧問〉赤間守、大沢稔(新)、久保田みき子(新)、小林恭子、佐藤長右衛門、白石淳一、高橋嘉一郎、高橋マス子、堂前貢、飛田元雄、中津孝司、町田拡、村尻勝信、森谷精、横山昭三