農家のための税金コーナー 農民連の記帳簿でも青色申告対応できる(2025年02月24日 第1639号)
物価高騰で経営環境が厳しい中「少しでも負担を減らすために青色申告に挑戦したいが複式簿記はハードルが高い」といった声が上がっています。
また異常気象と災害が続くなかで、「収入保険加入のために青色申告にしたい」という農家も増えています。農民連の記帳簿に基づいた簡易な記帳でも、青色申告に挑戦できることを知らせるため、農民連本部税対部は1月23日に「青色申告挑戦のためのオンライン学習会」を開催しました。
青色申告の メリットとは?

山形・庄内農民連の梶昇司事務局長が青色申告を始めるにあたって知っておいてほしいことについて解説しました。
梶さんは青色申告と白色申告の違いや青色申告のメリット・デメリットを紹介(表)。黒字経営で税負担を減らしたい農家や収入保険加入を希望する人は青色申告が向いていると解説しました。
また、「10万円控除の場合は農民連の記帳簿で対応できる。55、65万円控除の場合は、現実的には会計ソフトが必要で、青色申告開始時に期首の『現預金』『借入金』『積立金』『出資金』『土地価額』を調べる必要がある」ことも説明。
「最低限3月15日(今年は3月17日)までに『青色申告承認申請書』1枚を提出すれば25年の申告から青色申告に取り組むことができる。青色申告で事業者が扶養に入れるケースもあるし、青色申告の農家を自主申告運動に組織できる。実際の申告まで1年間時間がある。勇気を出して挑戦を」と呼びかけました。
税務署も認める 農民連の記帳簿

また宮崎県農民連の来住誠太郎書記長は宮崎県連の実践を報告。「白色申告での専従者控除には限界があることや収入保険の対応、赤字の繰り越しができることなどから、70人を超える組合員が青色申告に切り替えた。農民連の記帳簿のメモ欄の活用で税務調査でも否定されたことはなく、自信を持って取り組める」と紹介。実際の例で10万円以上負担が減ったことも紹介しながら、組合員の要求にこたえられる組織づくりをすることを呼びかけました。
学習会の動画は2次元コード、あるいはhttps://x.gd/QLrbBから視聴できます。
配布資料については農民連本部までお問い合わせください。