令和の百姓一揆 生産者と消費者が手を結んで立ち上がろう 院内・オンライン集会(2025年03月03日 第1640号)
日本の食と農を守るために3月30日のトラクターデモにぜひ参加を!
「“令和の百姓一揆”院内・オンライン集会~農業と食、子どもたちの健康を守るために生産者、消費者の声を反映させましょう!」が2月18日、衆議院第2議員会館で行われ、会場参加120人、オンライン参加150人、国会議員32人が集いました。主催は、令和の百姓一揆実行委員会。同集会は、3月30日に都内で開くトラクターデモへの参加を広く呼びかけるために開いたもの。
対立ではなく連帯ののろしに

会場いっぱいに集まりました
開会あいさつと趣旨説明を山形県の農家で実行委員会の菅野芳秀代表が行い「稲作農家が時給10円では『趣味で米を作れ!』ということだ。ヨーロッパやインドでは農家が抗議を続け、その声で国民や国会を動かしている。日本でも立ち上がるとき。一揆は対立ではなく、連帯ののろしだ」と呼びかけました。
冒頭、能登半島地震の現場から石川・能登農業協同組合の藤田繁信組合長がオンラインで参加。地震から1年2カ月、豪雨から4カ月が経過した今も、道路が寸断され、水も電気もストップしたままの地域があることを告発し、豪雨により田んぼに流木が流れ込み、山積みとなっている現状を訴えました。
農地、河川、幹線道路の復旧が求められるとともに、農家の収入補てんのためにも所得補償を行い、食料自給率向上、国防としての食の安全保障を求めました。
各地域から農業生産者が状況報告。水田農家を代表して、天明伸浩さん(新潟県上越市・星の谷ファーム)が新潟に移り住んで米農家になってからの30年を振り返り、「米1俵2万4千円が1万2千円と半値に。その後、機械代、肥料代、燃料代と上がり続け、中越地震や台風の直撃による田んぼの崩壊があったが、米作りを続けてこられたのは全国や地域の仲間、家族が一緒に農業をやってくれたからだ」と感謝の言葉を述べました。
「本当に強い農業・農村というのは大きな農家ではなくて小さな農家がいっぱい集まっていること。国がいま進めている政策は地域から人を減らす方向であり、この政策を代えて1人でも多くの仲間が農業に従事できる政策に代えていくことが必要。農業が担っているのは農産物の生産だけではなく、農業が持っているのは人を育てる力だ」と力説しました。
自給率向上へ超党派で取組む

発言する越川会長
野菜農家を代表して、千葉県農民連会長の越川洋一さん(横芝光町)が発言し、「野菜産直は、40年以上販売価格が変わらず、後継者から『利益が出ない。やっていけない。先が見えない』と不満がでている。農業の高齢化も深刻で、集落が維持できず、これが亡国の農政の“終着駅”だ。食料の重要性に保守も革新もない。いまこそ、自給率向上のために立ちあがろう」と呼びかけました。
果樹農家の立場から長谷川壮也さん(神奈川県・ジョイファーム小田原)が報告。「就農して約15年、月に2回ぐらい休めればいいという状況で、決算書も毎年赤字。小田原は中山間地が多く、機械が入りにくくて手で草を刈らないといけない」と強調。「ここ5年ぐらいで亡くなる方が多く、ベテランの方が1人亡くなると新規就農者が5人いても生産量などが確保できない。新規就農者への補助金も大事だが、就農者や研修生を受け入れる側への支援も大事だ」と訴えました。
畜産も酪農も危機的状況だ

報告する金谷さん
畜産農家から松崎泰弘さん(茨城・やさと農業協同組合)がマイクを握り、「燃料費や飼料価格高騰が続き、生産コストの増大で非常に厳しい。最近では鳥インフルエンザで、いつ自分の身に振りかかってくるかわからない状況にあり、心身ともに疲労がたまっている」と告発。
飼料自給率の向上の必要性を説き、「農地を守る一つの手段として、粗飼料と同様に飼料用米と飼料トウモロコシについても現状を維持するか、継続し、拡大していく方向で手厚い支援をお願いしたい」と訴えました。
酪農家を代表して、金谷雅史さん(千葉市)は、「3年間で100万円ももうからない仕事があるか! 酪農家は、お金を払って牛乳を搾っている。補助金は出たが、その時に首の皮一枚がつながっただけというのが実情。仲間たちとは『俺たちは奴隷だからな』と話し、酪農家の自尊心が傷つけられている。いまは、まず離農を止めてほしい。『欧米並みの所得補償をやる』と言って農家を安心させてほしい。このままではどんどん離農してしまう」と切々と訴えました。
有機農家の下山久信さん(千葉県山武=さんむ=市)は、「今の米の備蓄の問題や野菜の高騰は今までの自民党と農水省の政策の失敗だ。食料・農業・農村基本法の改正で食料自給率向上は投げ捨てられた。あるのは規模拡大、農地集積、輸出、スマート農業だけだ」と批判しました。
3月末の基本計画策定について、「いまパブリックコメントを募集しているが、期間は2週間しかなく、字数も200字。これは単なる儀式にすぎない。3月30日にはトラクターデモを絶対やるべきだし、7月の参議院選挙で政権交代を」と呼びかけました。
会場参加者からの発言で、JA常陸の秋山豊組合長がマイクを握り、JA常陸管内でも急速に高齢化が進んでいる実態を述べ、TPP(環太平洋連携協定)反対のたたかいのときのような大きな運動を展望し、「農協青年部にもトラクターデモへの参加を呼びかけたい」と述べました。
山田正彦・元農水大臣は「生産者も消費者も日本の農業と食料を守るために立ち上がろう」と呼びかけました。
閉会あいさつをした実行委員会の高橋宏道委員長(パルシステム)は、「今日の集会には予想より多くの国会議員も参加したことを評価したい。食と農、子どもの未来と健康を守るためにトラクターデモを成功させ、全国各地に同様の行動を広げよう」と結びました。
令和の百姓一揆トラクター行進
日時 3月30日(日)
場所 東京都港区六本木「青山公園南地区・多目的広場」
(アクセス・地下鉄千代田線「乃木坂駅」5番出口から徒歩4分、
日比谷線「六本木駅」2番出口から徒歩12分、
銀座線・半蔵門線、大江戸線「青山一丁目駅」5番出口から徒歩14分)
スケジュール
午後2時 集合(トラクターも同じ場所)
2時45分 トラクター行進出発
3時半 デモ行進出発(デモ先頭にもトラクター)
コース予定 青山公園→表参道→原宿駅→代々木公園
5時半 明治記念館で総括集会(港区元赤坂2丁目2の23)
7時頃 解散
連絡先 Eメール
TEL03(5211)6880
事務局代表電話(山田正彦法律事務所)