農民連と全米販が米問題で懇談 アグロエコロジーに共感 関連団体との連携重視を(2025年03月17日 第1642号)

(右から)長谷川会長、山崎理事長、田食県連会長
2月28日、農民連の長谷川敏郎会長は、米卸の全国組織、全米販(全国米穀販売事業共済協同組合)の山崎元裕理事長と、島根県出雲市で、1時間余り懇談しました。
全米販から大阪事務所の嘉祥寺信行所長が、農民連から島根農民連の田食道弘会長が同席しました。
長谷川会長は、「連日の報道で米不足が取りざたされているなか、全米販ではどうとらえているのでしょうか、私たちと共同の取り組みができませんか」と切り出しました。
山崎理事長は、昨年3月に全米販がまとめた「米穀流通2040ビジョン」を示しながら、「今がどうかよりも国内の米の生産量が500万トンを割ってきたら今までとやり方は違ってくる。業界も今のままではいかんという認識を持っている。もっと川下にも川上にも入っていくべきで、生産サイドの方々にわれわれももっと力添えすべきだと思っている」と述べました。
長谷川会長が『アグロエコロジー宣言(案)パンフ』を示し、「大規模な経営ばかりを対象に考えるべきではありません」と述べると、山崎理事長も「農業のあり方はいろいろあって良い。匠(たくみ)のものもあれば、大量に作る経営もあって良い。アグロエコロジーは守るべきものです」と応え共感されました。
さらに山崎理事長は、「茨城では100ヘクタール以上の参入がザラです。しかし中山間部ではオーガニックなどこだわりのものを作って高く売れば良い。フランスのように官民一体で進めれば良い。消費者に理解を高めてもらうためにも、学校給食から始めていくのも良いのでは」と述べられました。
山崎理事長は政府の備蓄米放出について、「複数年で備蓄を回復するならともかく本年産(本年秋)で穴埋めしろということだから、堂々巡りにしかならない」と指摘。「全米販としては、大変な状況になる前に東米商(東京都米穀小売商業組合)や日米連(日本米穀商連合会)に声をかけ、さらに関連団体とも日頃からの連携を重視していきたい」と話されました。