憲法に基づく税制確立へ 第56回3・13重税反対中央集会開く 大軍拡・金権政治NO!(2025年03月24日 第1643号)

講演する望月教授
所得税の申告期限を控えた3月13日、東京・国会議員会館内で第56回重税反対中央各界代表者集会が開催され59人が参加しました。
主催者を代表して全国商工団体連合会(全商連)の太田義郎会長があいさつ。「埼玉県議会で自民党がインボイス(適格請求書)制度廃止の意見書を出して採択され、消費税減税・インボイス廃止の請願署名の紹介議員が野党4党に広がるなど、議会が国民の意思によって変わろうとしている。総団結して乗り越えよう」と呼びかけました。
学習会では立命館大学法学部教授で日本租税理論学会事務局長の望月爾(ちか)さんが「税と社会保険負担のあるべき一体改革―所得税と社会保険料の統合―」と題して講演しました。望月さんは「税金と合わせ社会保険料の負担も増大している」と指摘。今話題の「103万円の壁」についても社会保険料の「106万円の壁」など、税と社会保険で複数の壁があり、収入の計算も異なるため、単純に「103万円の壁」を撤廃するだけでは不十分だと解説しました。
また今回検討されている税制改正では「103万円の壁」の撤廃と合わせ社会保険の適用範囲拡大が進められ、従業員数にかかわらず、すべての中小企業と5人以上の従業員がいる個人事業主についても社会保険の加入が義務とされ、負担増が狙われています。
また、今回の改正案での給与所得控除と基礎控除の10万円増額のほかに、基礎控除の追加について年収2545万円以下の場合は段階的に引き上げされる予定で、複雑な制度となっています。

財務省に訴える青年部の渡辺事務局長(左列奥から2人目)
望月さんは「税と社会保険の関係がますますわかりにくくなる改正だ」と指摘。「わかりにくさの中で、社会保険料負担が増大し、低所得者ほど負担が大きい逆進性が増してきている」とし、オランダの例も示しながら「税と社会保険を一体化して、負担をみえる形にすることも検討すべき」と提起しました。 参加者からは5人が発言。税理士の湖東京至さんは「消費税を払えない人が多く出ている。食料品のみ0%に引き下げても物価は下がらず、インボイスは残り、外食産業は大幅負担増になる。消費税は廃止しかない。この一点を中心にたたかっていこう」と呼びかけました。
集会に引き続き、財務省・国税庁への要請行動も行われ、農民連からは渡辺信嗣青年部事務局長も参加。財務省に対し「インボイスで払わなくてもよい消費税を納めている農家がたくさんいる。社会保障の財源というなら所得税の『1億円の壁』の解消など税制全体で考えるべき」と強く求めました。