被災者の再建支援拡充実現を 全国災対連が第26回総会 国は責任を果たせ(2025年04月07日 第1645号)

議案を提案する香月事務局長
災害被災者支援と災害対策改善を求める全国連絡会(全国災対連)は3月21日、東京都内で第26回総会を開催しました。19組織から約30人が参加しました。
全国災対連の香月直之事務局長が議案を提案しました。香月事務局長は冒頭、「何としても被災者生活再建支援制度の拡充を勝ち取る年にしたい」と述べ、運動を進める決意を表明。歴史的な大災害の年として、ボランティアなど支援活動に取り組んできた2024年を振り返りました。
また今年度方針として、政府・行政への働きかけの強化を提案。夏の参議院選挙に向けて各政党へアンケートに取り組むことも提案しました。
また、今年も能登半島地震・豪雨災害へのボランティア活動と災対連としての現地聞き取り活動に取り組むことも提案。「被災者はどこに相談したらいいのかわからない状態。この声をどう受け止め組織化していくかが課題」と述べました。
生業の再生が被災地の課題に
討論では10人が発言しました。石川県災対連の長曽輝夫さんは「能登半島地震は震災関連死が333人と多いのが特徴。大船渡火災のような避難所にテントやパーテーションを設置するなど、迅速な対応が必要だったが、全く不足していたことが関連死の多さとして表れている」と報告。被災地は家屋の解体が進んでいるが、高齢化で再建をどうするかが地域の悩みとなっており、「商店や学校などが地域に残らないと再建のビジョンがみえないのに、病院の統廃合などとんでもない。地域医療システムが崩壊してしまう」と訴えました。
東日本大震災津波救援・復興岩手県民会議の中村健さんは大船渡市の山林火災の被害を中心に報告。「171棟が被災した。避難所に支援物資は比較的届いていたが、情報がわからないのが不安という声が多かった。屋内にテントやパーテーションなどが早期に設置され、これまでの経験が生かされた運営となっていた」と紹介。漁民が被害を受けており、最盛期となっているわかめの養殖への影響や、定置網などの漁具、わかめの塩蔵用の機械などが被災し、復旧にはお金も時間もかかることが指摘されました。
討論のまとめで香月事務局長は「能登の現地調査で聞いた声を踏まえて政府に要請を行うなど、国の責任を果たさせるためにあきらめず運動を続ける必要がある」と継続した運動の必要性を訴えました。