生産者と消費者が交流 第27回大豆畑トラスト運動全国交流会 大豆栽培継続しよう 大豆を丸ごと食べる(2025年04月14日 第1646号)
生産者と消費者とが手を結び、遺伝子組み換えでない国産の大豆栽培を応援する「第27回大豆畑トラスト運動全国交流会」が3月28日、都内でオンライン併用で開催され、生産者と市民が集いました。今年のテーマは「国産大豆を作り、食べよう~ホールフードのすすめ~」。主催は「遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン」です。
トラストが貢献 大豆自給率向上

講演するタカコナカムラさん
キャンペーンの纐纈(こうけつ)美千世さんが開会あいさつ。「約30年の間、運動を続けてきたが、運動を始めたころは2%の大豆の自給率だったが、いまは6~7%になった。自給率向上に多少なりとも貢献したのではないか。今日は大豆の大切さを再認識し、食卓に取り入れて、無駄なく食べることを確認したい」と述べました。
キャンペーン代表の天笠啓祐さんが「遺伝子組み換え・ゲノム編集食品の現状」について報告。組み換え作物の主要栽培国が米国、ブラジル、アルゼンチンであり、日本では、大豆、トウモロコシ、ワタ、ナタネが流通し、食用油や油製品、飼・肥料として食品に使われていることを解説。ゲノム編集食品は、世界では日本だけが流通し、トマト2種類、マダイ、トラフグ、ヒラメの魚類3種類が市場に出回っていることを告発。「自然と農漁業、種子を守るためにもトラスト運動を広げよう」と訴えました。
日本ホールフード協会代表理事のタカコナカムラさんが「食材をまるごと食べよう!ホールフードの勧め」のテーマで講演しました。
ベジタリアンやヴィーガンなどの食スタイルの変化、健康志向の増加などで大豆を加工した大豆ミートが普及していることを紹介。しょう油やみそ、調味料としての活用や、納豆、豆腐、コロッケなど大豆を丸ごと料理し、さらに炒(い)り大豆や粉にするなどの調理法を披露しました。
休憩時には、ナカムラさんが用意した料理のほか、参加者が持ち寄った大豆料理に舌鼓を打ちました。
みんな集う交流 続けていきたい


持ち寄った大豆料理
大豆畑トラスト運動の生産者・消費者からの報告では、市民の大豆食品勉強会(茨城)、秀明自然農法ネットワーク、目黒区消費者グループ連絡会(東京)、おきたま自然農業研究会(山形)、流域自給をつくる大豆畑トラスト(岐阜)、新庄・ネットワーク農縁大豆畑トラスト(山形)から発言がありました。
福岡県の、みのう農民組合の取り組みを、福岡県農民連の藤嶋嘉子さんが報告。高齢化や猛暑などで大豆の生産そのものが危機的な事態にあるなかで、「みんなが集う大事な交流。今年1年も、トラスト運動に取り組もう」と確認したことを語り、暑さに強いように品種改良された大豆「フクヨカマル」を栽培し、「みなさんと運動を共有しながら取り組んでいきたい」と表明しました。