アイコン 新聞「農民」

令和の百姓一揆(2025年04月14日 第1646号)

農家の思い、届け!
参加者のコメント

沿道の応援に元気出た 愛媛 堀内学さん 

米俵を先頭に行進しました(東京・表参道)

 多くの人が参加して、すごいデモでした。参加してよかったです。「農家さんありがとう」と声がかかるなど、沿道や車の中からも多くの反応があり、元気が出ました。
 米などの食料品が高くなっていると感じている人は多いはずです。自分もサラリーマン時代は「スーパーに行けばいつでも食料品が手に入る」と思っていましたが、そうではない、農家も大変なのだと気づいてもらえたらありがたいです。
 これだけ大きな動きができたので、今後の運動の広がりが楽しみです。

農業を応援してほしい 千葉 田端大輝さん、希さん 

 今は「安ければいい」とばかりに輸入食品が売られていますが、「日本の農業を応援してほしい」「消費者の意識を変えたい」という思いで参加しました。農業を守っていくためには、あきらめずに行動を起こしていくことが大切。今日は参加できてよかったです。
 新規就農して、他の農家の皆さんとのつながりの大切さを実感しています。農民連に入ったことで、減農薬やネオニコフリーに取り組む大先輩たちにも出会えました。地域にもっと若い農家を増やしていきたいです。

農業守る農民連に魅力 福島 三栗野(みくりの)祐司さん 

 新規就農して今年で4年目。ハウスで野菜を栽培しています。
 農民連には、日ごろから何かとお世話になっている近所の年配の農家の方の紹介で、去年12月に加入しました。新潟県出身で、周りには知り合いもおらず、農業のこともよく知らない、そんなときに助けてくれたのが農民連でした。「農業を守る」活動をしている団体というところに、魅力を感じています。
 今日は、農家の声を届けるデモを東京ですると聞いて「一人でも多く声を届けたい」と、福島県農民連の仲間70人と一緒にバスで来ました。農業生産の大変さを身をもって知る者として、声をあげていきたい。

旅費はカンパを集めて 北海道 岸本辰彦さん、鈴木勝也さん

北海道から手作りの横断幕持参で参加した岸本さん(右)と鈴木さん(中央)、富沢修一書記長

 農業・農村は本当にたいへんな時代です。それを消費者にわかってもらい、農民の意思を示したいと、参加しました。
 農家が農業で生きていけなければ、国民は国産の食料が食べられなくなります。国は輸出に力を入れるより、欧米のように農業・農村に予算を使い、農民が農業で生きていける農政にしてほしい。その実現は国民の理解があってこそ、です。
 「令和の百姓一揆」ははそのアピールに良い機会。こんな時に何もしないではいられないと、急きょ、さまざまな集会や会議でカンパを訴え、今日はそのカンパで3人が上京してきました。
 農村ではいま、集まりがあってもみんな暗い雰囲気ですが、この「一揆」の熱気と感動を北海道に持って帰って共有し、地域のみんなを元気づけたいと思います。

バスしたて11人が参加 茨城県西 風見誠さん 

風見さん(左)と茨城県西の皆さん

 今日は県西農民センターではバスをしたてて、11人が参加しました。じつはバスを出すか否か、センターの会議でも紛糾しましたが、「百姓のこの現状を見たら、やっぱり何か行動しなければ!」ということになりました。
 3月に入ると米農家は種まきが始まり、気持ちもせわしくなりますが、今日は多くの仲間が「声を上げよう」と時間をとって参加してくれました。
 こんなに熱気ある集会になって、みんな元気をもらいました。

米どころも後継者なく 新潟 矢代久子さん

酪農家の友人の手作りのプラカードを手に新潟県農民連の皆さんと行進する矢代さん(中央)

 米どころ新潟からかけつけました。
 わが家は平地で比較的条件の良い地域なのに、どの家にも米作りを続ける跡取りがおらず、農家は70代、80代ばかり。耕作放棄地が増えて、農地が本当にもったいない。
 やはり米作りでは生活できないから、後継者が育たないわけで、どうしても所得補償と価格保障が必要だと、今日は訴えにきました。

地元でもデモやりたい 群馬 金井亮さん

金井さん(左)と群馬県農民連の皆さん

 群馬でもトラクターデモをやりたいという声が出ていて、今後も「一揆」に連帯する運動を続けていこうと話し合っています。
 私は梅農家で、群馬県はじつは生産量第2位の梅の産地ですが、高齢化と離農で収穫量も減ってきてしまっています。
 今日はこんなにたくさんの人が集まって、熱気あふれる集会になって、本当によかったと思います。

熱気に驚き 奈良 稲田博子さん

 今日は奈良県でも連帯行動が行われており、奈良県農民連を代表して夫婦で駆けつけました。
 市民がたくさん参加していて、すごい熱気でびっくりしました。こんなに農業や食料の問題を真剣に考えている市民や消費者がいる、という姿を間近に見て、とても感動しました。こういうデモ行進が、東京の都会で行われたことに意味があると思います。


列島各地で多彩なとりくみ

 3月30日に都内で行われた「令和の百姓一揆」に呼応して、全国各地でも14カ所で軽トラデモ、行進、スタンディング、学習会などの多彩な行動が行われました。農民連も積極的に参加した各地の取り組みを紹介します。

奈良 トラック20台が行進 消費者とともに100人で集会

20台のトラックなどが行進しました

 奈良県では奈良市大森町の青空駐車場で100人超の生産者と消費者が集会を開催。その後、県庁までの往復でトラクターを載せたトラックなど20台がデモ行進しました。集会に参加した消費者もトラックなどの助手席に乗り込み、一緒に宣伝しました。
 生駒市から来た若い夫婦は「国の米政策が全くダメなので、10で探っていたら東京の百姓一揆にヒットし、そこから奈良の百姓一揆につながりました。今後もこんな機会があったらぜひ参加したい」と語り、軽バンの後座席に同乗してデモの最後まで参加されました。
 大和郡山市で新規就農の井上和恵さんは「今日はみんなと参加できて良かったです。農家は田畑では普段誰とも話さず作業しています。奈良の北から南まで軽トラを持って集まり、声なき声をあげる行動は大切だと実感。今日集まったのが農家だけではなく、消費者のみなさんで、行動が広がります。安心で安全なものが消費者のもとに届けられるのが正しい形。生産者だけでなく、消費者の力も必要です」と力強く呼びかけました。
 (奈良県農民連 竹島茂直)

富山 学習集会 トラクターデモ 若い女性や子どもも参加

学習会で百姓一揆の意義を学びました

 富山では30日午後1時半から富山市の県民会館で学習集会を開き、富山県農民連の水越久男副会長が百姓一揆の意義、米騒動の本質などを講演し、質疑応答が活発に行われました。参加者から「所得補償とは何ですか」「これからどう運動するのですか」などの質問がありました。
 その後トラクター3台、軽トラ10台と、歩行者デモを県庁前から駅前そして県庁公園まで約1時間行進しました。
 参加者は想定を大きく超えて100人。デモ行進はみぞれの中若い女性や子どもたちも参加しました。沿道から手を振る人やスマホで動画を撮る人も多く、地元のテレビ2局が放映しました。

山口 みんなで作ったパレード 子連れ女性など100人が参加 声援受け心温まる楽しい一揆に

100人を超える参加者で記念撮影

 「山口でも令和の百姓一揆を」と決まったのが2月23日。急ごしらえのうえ、皆が初めての百姓一揆。たとえ軽トラ1台でも、10人でも歩こうと山口市内で迎えた当日。季節外れの寒風吹きすさぶ中、100人を超える参加者!子ども連れ世代の女性の参加が目立ちました。先導、誘導、コール、太鼓、すべての担当がその場で決まりました。
 トラクター2台、軽トラック13台で行われた、みんなで作り上げたパレードは、沿道の人たちも応援せずにはいられないといった感じで、手拍子や声援が送られ、寒さを忘れる温かい一揆となりました。
 下関、岩国、山陰、遠くは島根県からの参加も。農や食への不安が高まっている証です。「次はいつ~?」「農政が変わるまで、何度も何度もやりましょう!」と拍手で解散しました。
 (山口県農民連 海田春水)

滋賀 軽トラデモに県外参加者も 町の話題になってほしい

他地域からの参加もありました

 滋賀県では、3月28日に東近江市と愛荘町で軽トラック12台、街宣カー1台のデモを行いました。大阪、京都からも参加がありました。
 僧侶さんも参加があり写真を撮っていました。参加者は各自でのぼり旗を自作でした。すれ違う車から手を振っていただきました。
 町を行く人は「何かしら」と不思議そうな感じで見ていました。街の話題になったらいいのではと思いました。
 (滋賀県農民連 中井良久)

静岡 浜松駅でスタンディング 農家とつながり支えたい

訴える吉川県連副会長

 静岡では、「令和の百姓一揆」に呼応して、30日に浜松市の浜松駅北口で、スタンディングを行いました。「全国実行委員会のホームページで浜松でもやっているのを知って参加した」と、東は富士市、富士宮市、西は豊橋市からも参加があり、約100人が輪を作って、それぞれの思いを共有し、市民にアピールしました。
 浜松市浜名区の養豚農家、菊川市の茶農家、掛川市の米農家、豊橋市の野菜農家からは、農業の厳しさとともに大切さややりがいが語られ、消費者からは「農家とつながり支えていきたい」と発言がありました。
 戦中・戦後の食糧難と農業の大切さを語る人、自分で食べるお米を作り始めた人など10数人のスピーチがあり、温かく熱い思いを共有できた1時間でした。
 集会には、「食料自給率向上のためにも米粉の普及が大事」と米粉パン100個の提供もあり、参加者、署名協力者に配りました。全国食健連の署名も77人分集まりました。たくさんの人に支えられての「濱松の陣」でした。(静岡県農民連 吉川利明)

京都 軽トラ並べて宣伝 SNS見て参加も

軽トラとともにスタンディングでアピールしました

 30日、京都でも東京の行動に呼応して、京丹後市の丹後地域センター前で午後1時半から軽トラ5台を並べ、スタンディングを行いました。
 当日は、SNSで見て参加した方も含め6人が参加。ときおりあられが降る中、震えながらの取り組みでしたが、通る車からの激励にも励まされ、軽トラ宣伝カーで「食と農を守れ」と訴えました。
 京都食健連は、12日にも京都駅八条口京都イオン前でいっせい宣伝行動を行う予定です。(京都農民連 安田政教)

青森 横浜町 中心街でスタンディング 道行く人々から激励も

スタンディングでアピールしました

 青森では、横浜町の中心街で8人が参加し、スタンディングを行い、マイクで通行人らに訴えました。自作のビラも配布しました。
 手を振ってくれる人など、道行く人びとからの激励もありました。(青森県農民連 沖津由子)